ハイゼンベルグの不確定性原理は間違っていたは間違っていた

今日のニュースで正直驚いた方も多いだろう。
私もびっくりした。
しかし、よく読んでみると「小澤の不等式」が実験で立証されたという事だった。
当然だがこれはこれで凄いニュースだが、「びっくりした」のは
「ハイゼンベルグ不確定性原理は間違っていた」
不確定性原理に欠陥」
「量子物理学の原理崩す」
不確定性原理の破れの実験的観測に成功」
 「現代物理の常識覆す」
とかいうセンセーショナルな記事(タイトル)だ。
まぁ私は専門家では無いが「小澤の不等式」とか不確定性原理の意味において専門家なら(上記のタイトルを)真に受ける人は居ないと思う。
 
もっとも妥当なタイトルは産経新聞
 「測定速度の壁」破る より普遍的な理論に」 (※原文ママ)
だろう。
さて、「不確定性原理は間違っていた」は間違っているし、量子論に欠陥とか綻びが露になったというのも間違っている。

不確定性原理量子力学の大前提でもある正準交換関係から導かれる種も仕掛けも無い式。
http://blogs.yahoo.co.jp/cat_falcon/12045917.html
 
もし不確定性原理が間違っていたらそれこそ大変な事だ。
それは出発点でもある「正準交換関係」([ q, p ] = ih/2π )を否定する事にもなる。そうなると場の量子論も崩壊だ。あー何もかも崩壊するかも知れない、、、どうしよう、、という事態だ。
 
ついでだが不確定性原理は証明されない「原理」だ。なぜなら正準交換関係と殆ど等価だからだ。正準交換関係は量子力学の大前提でもある「仮定」である。
これは実験とかで検証されて原理となる。
もし間違っていたら理論は間違っていると判定される。今のところその兆候は無い。
 
じゃぁなんであんな記事が踊ったのか?
以下は私の理解による「例え話」だ。
極端に言えばだが不確定性原理は例えば「リンゴは赤い」という事で今回立証されたのは
実は(なんと!!)「ミカンは黄色い」のだ。と言っている。
つまりドッチも間違っていない。

それぞれある量の定義(解釈)がそもそも違う。
「小澤の不等式」は量子測定における誤差、揺らぎ(擾乱)に関して一つの定義の提案だと思う。
その定義で導かれるたのが「小澤の不等式」だ。
しかしその提案が正しいかどうかは実験による検証が必要だ。
今回それが立証されたわけだ。
なので「不確定性原理は間違っていた」は間違っている。という訳で
不確定性原理は今後も何ら修正もされない。

また今回の立証で相互作用に伴う擾乱と誤差の関係を扱う場合は「小澤の不等式」を適用して考える事が出来る、というお墨付きを得た事にもなるだろう。
 
もっとも不確定性原理(をσq σp ≧ h/4πと書いた場合)「小澤の不等式」は
Δq σp + Δp σq + Δq Δp ≧ h/4π
といった形に導かれるため(Δq σp + Δp σq)という補正項(のように)書かれるため不確定性原理の拡張とも言えなくも無い。

以上はシロートの理解と解釈です。