微分幾何のイメージを

Note129 一般のラプラシアン(3次元極座標ラプラシアン)

前回(量子論等・補習ノート)、面倒で端折ってしまったが、結構複雑な形になっていて とは言っても良く知られた公式です。そんなわけで「てきとう」な私はこの公式を導出するなんて面倒な事はやっていない。そこで今日は復習を兼ねてやってみたい。ただ、一般…

Note128 Ricci の恒等式と曲率形式

Ricciの恒等式から逆に曲率形式を引っ張り出す事もできるはずです。やってみると結構面倒だ。eをフレーム(基底)とする時、 で、やっぱり2という係数が出てくる。

Note127 Ricci の恒等式

これは http://blogs.yahoo.co.jp/cat_falcon/22182473.html http://blogs.yahoo.co.jp/cat_falcon/21504505.html を使った。結局 ところで現代微分幾何入門「野水 克己 (著)」p78 では曲率テンソル場を次のように書いている。 そのため2という係数が付いて…

Note126 共変外微分とビアンキの恒等式

外微分を使って書いたBianchiの恒等式は次のよう式でした。 http://blogs.yahoo.co.jp/cat_falcon/21737243.html しかし、これを共変外微分を使って書くと という綺麗な形になります。これが分からなかったのだがやっと分かった。 一生懸命左辺を計算しても…

Note125 共変外微分と曲率(3)

ところで現代微分幾何入門「野水 克己 (著)」 では http://blogs.yahoo.co.jp/cat_falcon/21504505.html で曲率形式は として定義されている。 現代微分幾何入門「野水 克己 (著)」 ではでは共変外微分をDという表記を使っているが共変外微分らしく という表…

Note124 共変外微分と曲率(2)

先日の関係式 をΩの定義と考えるなら逆に曲率形式は である必要がある。という事で辻褄は合っています。証明は先日の逆なので 従って が示せます。

Note123 共変外微分と曲率

前回、冒頭で「現代微分幾何入門 野水 克己 (著)」 ではこの共変外微分から曲率形式を定義している。という点について書いた。 今日はその点について。 前回DD(共変外微分を2回の意味ね)は恒等的にゼロにならないという点について書いたが実はDD自体がこの…

Note122 共変外微分と外微分

現代微分幾何入門「野水 克己 (著)」 ではこの共変外微分から曲率形式を定義しているのだがこの本の共変外微分の定義から「共変」「外微分」という単語が結びつかない。しかし、これは共変外微分を局所表示してみるとこの違和感は解消する。 上記教科書では…

Note121 ブラックホールのイメージ

今日はブラックホールを描いてみようと思います。一般向けの解説書でもブラックホールの絵は良く見かけます。すり鉢状の絵ですね。でもあれってブラックホールの姿を本当にイメージしているのか?と疑問に思う事も、それで少しまじめにすり鉢状の絵をひねり…

Note120 測地線の実例(計算5日目)

いよいよ、今日で終わらせます。まずは先日の結果から 一見簡単そうだが厄介な事に非線形の微分方程式になっている。EMANさんの水星の近日点移動によれば、 「過去の経験の蓄積による技巧に頼らざるを得ないことを受け入れてもらいたい」 と。幸い私はそうい…

Note119 測地線の実例(計算4日目)

今日も暑い一日だった。気力が失せてしまいそうだがここで諦めると意図も簡単に挫折という行動を正当化してしまいそうだ。という事で先日の続きだ。まず先日の変換によって微分は次の変換をうける これを代入すると、 という事で一山越えた感じだ。後、もう…

Note118 測地線の実例(計算3日目)

測地線では固有時(proper time)τで だったので(計量テンソルの符号が違うのでこうなる)、 解を代入すると この関係を代入すると、 u は太陽から水星までの距離 r の逆数でφは太陽を中心とした x 軸からの角度。 まだ、半ばくらいかなぁ。残りは次回だ。

Note117 測地線の実例(計算2日目)

先日、具体的に求めたクリストッフェルΓを代入すると ここで(1)、(3)の解は次のようになります。(メモ) 定数係数は一まとめにして (2)式にこの結果を代入すると (メモ) 今日は、ここで疲れたので続きは次回だ。

Note116 測地線の実例(計算1日目)

先日の計算で計量テンソルが分かったので接続係数が計算できます。 計算は面倒だけど次のようになる。 この結果からゼロに成らない成分は次のようになります。 次に問題に簡略化してXY平面で考えるので ゼロに成らない成分は次のようになります。 これを実際…

Note115 測地線の実例(近日点移動)

法則 : 惑星は、太陽をひとつの焦点とする楕円軌道上を動く。 ところが水星の軌道を詳細に観測してみるとこの法則からズレて楕円軌道は閉じずに、近日点と呼ばれる太陽に最も近づく位置が1周期ごとにズレていくという現象が見られる。この現象を近日点移動と…

Note114 球の測地線(3)

先日は球の測地線を微分幾何の示す測地線の方程式をこねくり回して次のような関係(解)を得た。 これから、 こうして球の測地線の解(?)は これが大円になっているのかを見てみることにします。平面の式と球面の式からその断面線が満たすべき関係を求めて…

Note113 球の測地線(2)

えーっと先日の続きです。先日の測地線の方程式は次のようになりました。 この関係から任意定数c1で、 つまり、 また球面の計量から、 で、これを積分してやればvの形が分かる事になります。 こんな積分が解析的に求められるのか?Mathematicaにお願いする…

Note112 球の測地線(1)

球の測地線って本当に大円なんだろうか?(疑ってもしょうがないのだが、、、) 結局、測地線の方程式が微分幾何の道中で得られるのだがそこから大円が確かに出てくるというのは私の持っている本には出ていない。正確に言えば出ているけど直接計算していない…

Note111 主ファイバー束に同伴

ずーっと気になっていた事なのだが、同伴ファイバーの何処が同伴でファイバー空間に構造を持たせるというイメージがなかなかスッキリしない。今日、そんな事をふと思い出してF君に聞いてみたら何となくわかった気がした。多分、こういう事だろうと思った点を…

Note110 再び測地線

曲線xに沿って平行な移動をするベクトルζは でした。計量テンソルがあると距離を測ることができます。計量が与えられた場合この時のtパラメータは通常曲線の長さ(弧長)にとる。なので表記上は と書かれます。アフィンパラメータの条件から弧長の定数倍お…

Note109 曲面の計量

(n+1)次元のユークリッド空間の座標系、n次元多様体Mの局所座標系を として のようなfが定義できるときMを埋め込まれた多様体というものが定義されます。 ※あくまで直感的な定義なので正確な定義は数学の本を見てくださいね。 このような埋め込まれた多様体…

Note108 Lie環と微分

今日の寒さはもう本格的です。暖房無しには居られません。さて、adは何で微分なんだろう?もちろん だったから、という素っ気無い回答もあるんだろうけどイメージ派の私としては今ひとつピンと来ないです。まず、明確なのは でした。それで次のような事を考…

Note107 Lie群・Lie環(Adとadの関係)

先日「多様体入門 松島与三 著」ではadを冒頭で書いたように新たな表現として異なる意味を持った記号として登場していると書きました。それでそれぞれのAdとadの関係が次の公式で結ばれています。 です。実は「多様体入門 松島与三 著」ではadをきなり と定…

Note106 Lie群・Lie環の随伴表現(Ad,ad)

Lie群・Lie環の随伴表現で前のノートを眺めていて???となってしまった。 「多様体入門 松島与三 著」は後で気が付いて補足程度読んでいたのですが他の書籍でも随伴表現でAdとadというのが出てきます。 実はよく読めば「多様体入門 松島与三 著」でもちゃ…

Note105 リー群の表現とリー環の表現

Lie 群とLie環の関係とかその辺が頭の中でバラバラになっているので少しその概観を整理しておこうと思う。あくまでイメージなので厳密なところは目をつぶりますけど。まあ、メモです。 さて、Lie 群G 上のベクトル場X が任意のa ∈ G に対してX を左不変ベク…

Note104 (余談)「100年の難問はなぜ解けたのか」とリッチフロー

久しぶりに重い数値計算をしてみた。 「100年の難問はなぜ解けたのか」を読んだ感想は以前書きましたが、ともかく数学的なところはさっぱり意味不明でした。 その中で重要なポイントがリッチフロー方程式と呼ばれるものだそうです。 文中、何度も出てきま…

Note103 それがどうして勾配なのか

先日の疑問点を解消してみる。まず、勾配の定義だけど となるベクトル場Xを とするのでした。やはり同じgradを現しているとは思えない。定義に基づいて両辺を具体的に計算して両辺を比較してみます。 なので両辺を比較してみると、 「多様体入門 松島与三 著…

Note102 それがどうして発散なのか

先日、定義された発散だけどどうしてもあれが発散と思えない。どうやらかなりのイメージギャップがある。それで今日はそのへんのイメージのギャップを埋めてみようと思います。 多様体上の発散とか勾配とかラプラシアンとか定義されたけどベクトル解析で定義…

Note101 内部積をもう少し

内部積の定義をもう一度見てみると、 でした、つまりベクトル場と微分形式に対して という事で、略記では という事になります。いまひとつピンと来ないです。もう少し具体的に計算して内部積のイメージを掴んでみようと思います。p次微分形式として内部積を…

Note100 リーマン多様体の体積要素と勾配(grad)

計量テンソル(metric tensor) 局所座標系x、yを正の座標系とするので と言う事で がリーマン多様体の体積要素とする事が出来る。リーマン多様体上のベクトル場X、Yに対して となるベクトル場Xを と書いてfの勾配という。それで勾配が定義されるとリーマン…