さらに正しい理解を求めて

さらに正しい理解を求めて

[第46話]で当初の目的でもあった「量子コンピュータの原理」の入り口でもあるショアのアルゴリズムまで見てきました。本当は「ショアのアルゴリズム」まで書いたら一端終わろうと思っていましたがここまで来る間にさらに幾つかのトピックが気になっています。

[第46話]まで書いてきたんですが所詮サラリーマンなので専門家のレベルには程遠いのも事実です。ただ、これから勉強しようと思っている方の参考にでもなれば幸いです。
※間違いや勘違いは読者の方の指摘を楽しみに待っています。


さて、正しい理解ですが以前にも書いたんですが何故か間違った理解を事実のように伝えるWeb上の情報や書籍が目に付きます。

量子力学における間違いキーワード
・(光速を超える)瞬時の情報交換(情報伝達)
・(光速を超える)瞬時の物質の瞬間移動(テレポーテーション)
・エネルギー保存が破れる
テレパシー超能力
・死語の世界、魂、、、、


量子コンピュータにおける間違いもよく見えてきました。

量子コンピュータは超高速計算で解を出力する?
量子コンピュータの計算は超高速ですがいつも正しい解を出力する訳ではないです。解の出力が確率的な点を書いていない情報は不親切です。
量子コンピュータにはこの不確かさをうまく操って正しい解を出力させるアルゴリズムが重要
その一つがショアのアルゴリズムですね。つまり効率的に正しい答えを抽出するアルゴリズムが必要です。


どんな計算も超高速?
これも上で述べたように量子計算向きのアルゴリズムの存在が不可欠です。おそらく大抵の計算は現存のコンピュータの方式が有効な仕事をすると思われます。なので
将来は今のコンピュータの高性能化と量子コンピュータが共存する世界
になるのでは無いでしょうか?。

個人的には理論から少し離れて現実面での疑問点が残りました。
・どうやって量子ビットを必要なだけ用意するのか?
・どうやって初期化するのか?
・量子状態間の干渉の破壊をどうやって防ぐのか?(量子誤り訂正だけでカバー可能なのか?)
entangled74さんのコメントによれば2qubit の制御否定(CNOT) ゲートを光子間相互作用で作るのは非常に難しいらしい。


次回は「量子誤り訂正」の初歩的な点を取り上げてみたいと思います。
※量子誤り訂正」はかなり敷居の高い分野のようです。