Memo38 相互作用とS行列(4)(DysonのS行列)

前回S行列の奇怪な様式を得る事が出来た。しかし残念ながら(前回書いたように)やったことは全て非相対論的だった。実際には相対論的に共変でなければならない。そもそも出発点にとったのがシュレーディンガー方程式
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だったからなので当たり前なんですが、本来は相対論共変性を持つ方程式Tomonaga-Schwinger方程式
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で遂行するらしい。(「場の量子論 中西襄著p159」によれば)ところが旨い事に今までの展開は形式的にはそのまま使えて、ハミルトニアンHをハミルトニアン密度、時間に関する積分を時空に関する積分に置き換えれば相対論的共変を持つ式になるという事なので、そうさせてもらうと、
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相対論的共変なS行列が得られる。これをDysonのS行列と呼ぶ。
何となく騙されたような気がしないでも無いが上記のような置換で同じ結果に到達するなら楽で良い。とは言え気になるならむしろ「定義」だと思ってしまえば良いと思う(と思ってこっそりと=を≡に摩り替えておいた)。

イメージ 6


ちなみにこれも
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と略記されるらしい。突然こんな式を見たらやはり絵画だろうけどこうして見てくると意味をよく表した略記だと思います。

メモ
今までの話は以前書いたように相互作用が微分結合ではなく直接結合に限定していたが実際はくりこみ可能な場合に限って微分結合が在ってもT積を次の様に定義したT積に摩り替えると形式的に同じ様式になるらしい。
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