Memo39 S行列とウイックの定理(Wick's Theorem)
前回はS行列の様式を得るとこまでできました。そのままだとやはり絵画で終わってしまいます。今日からこのS行列を中心に具体的に見てみたいと思います。さて、相互作用が直接結合の場合、ハミルトニアン密度は
と書けるのでしたから、DysonのS行列は
と形式的には計算さる事になりますが、実際は(直接結合の場合は)
を計算するという事になる訳ですね。(吐き気がするような式ですね)積分の部分は技術的には数値計算してやれば良さそうですがT積は計算しないと披積分関数の形が求まらないのでやらないと駄目そうです。(こういうのも数式処理で済ませられるんでしょうか?)ともかくこの計算を遂行するには
を計算するという事になります。結局のところこの計算の主要部は場の演算子における計算
に帰着する事になります。それでこれを計算する
(と言われても、、本当に吐きそうですね。)啓蒙書には絶対に載せられない式です。好奇心のある人もこれが目に飛び込んだ瞬間に買わないでしょうね。しかしその奇怪性とは裏腹に落ち着いてみると(見た目は恐ろしいが)機械的に計算できる仕組みを提供しています。
と書けるのでしたから、DysonのS行列は
と形式的には計算さる事になりますが、実際は(直接結合の場合は)
を計算するという事になる訳ですね。(吐き気がするような式ですね)積分の部分は技術的には数値計算してやれば良さそうですがT積は計算しないと披積分関数の形が求まらないのでやらないと駄目そうです。(こういうのも数式処理で済ませられるんでしょうか?)ともかくこの計算を遂行するには
を計算するという事になります。結局のところこの計算の主要部は場の演算子における計算
に帰着する事になります。それでこれを計算する
うまい方法が Wickの定理
というのを使うというのです。次の様式は(Wickの定理はもっと簡素に記述できる)機械的に計算できる機構を初等的に記述し直して見た結果です。
(と言われても、、本当に吐きそうですね。)啓蒙書には絶対に載せられない式です。好奇心のある人もこれが目に飛び込んだ瞬間に買わないでしょうね。しかしその奇怪性とは裏腹に落ち着いてみると(見た目は恐ろしいが)機械的に計算できる仕組みを提供しています。
例では、n=3(Ω={1,2,3})の場合を併記しています。eに関する総和ΣはΩ内の任意の集合でその数が偶数個になる集まりの全体に関する総和です。「空」を忘れないようにしないといけません。そして、c は eの補集合に関する総和です。Ω=φならcはΩ全体になります。さらにpはeの要素をペアにする全ての組み合わせに関する総和になり、Π( i < j )の積はpのペアに関する( i < j )積になります。
特殊な場合(1) e=φの場合
特殊な場合(2) e={Ω}の場合
と計算します。
特殊な場合(2) e={Ω}の場合
と計算します。
さて、まだ正体不明のN[...]っていうのが残っています。次回はこのN[...]について見てみます。