地球温暖化は起きない？（地球の温度）

地球温暖化は起きない？という事を実しやかに言っている人が居ました。
また例の陰謀とかいうヤツですか？どうやらTVでやっていたらしい。

しかし、これまでの色々な観測が温暖化を裏付けていますし、スーパーコンピュータによるシミュレーションでも温度上昇は予測されています。まあ起きないに越した事はありませんがメディアを通じて妙な理屈を流すのはどうかと思ったりします。現在でもこの研究や観測は行われています。彼らが気が付かないといのは想像しがたいですね

さて、地球が温暖化するというのは荒っぽい近似であれば高校生程度の物理でシミュレーションできますから少し見てみたいと思います。

まず、安定な気候が維持されるためには、地球が太陽から受け取る放射と宇宙空間へ逃げていく放射はエネルギー的に釣り合っていなければなりませんね。この平衡関係から、地球の（平均）温度を計算することができます。

単位時間あたりに太陽温度Tsから放出される全放射は放射フラックスは、有名なステファンボルツマンの法則から、

に太陽（半径Rs）の表面積をかけて

地球に届く太陽光は地球までの距離dとしたとき太陽中心から半径dの球で放射フラックスは

で、この値を太陽定数といいます。

を代入すると、

雲や雪、氷雪、砂漠、森林等などによって宇宙空間に反射される事をアルベド効果と呼ぶ。この反射率をAとする。つまり吸収率は1-Aである。現在の地球ではA=0.3程度と測定されている。つまりこの効果を考慮して地球表面（半径RE）が吸収する太陽放射は

地球によるエネルギーの吸収は、宇宙空間への地球放射と釣り合わなければならないのでしたね。今、地球の温度を計算したいわけです。ステファンボルツマンの法則を適用してよいか検討してみると、まず、地球は黒体ではないですが地球放射のほとんどが赤外線でこの吸収効率はほぼ１に近い事が知られている。この事から地球からの熱放射の関係は黒体の単位時間、単位面積あたり熱放射Iの関係式であるステファンボルツマンの法則で近似してよさそうだ。

地球についてのエネルギー平衡の式はステファンボルツマンの法則としてよいから、

これから地球の温度は次のように決まります。

これが現在の地球の平均温度（気温）という事になる。氷点下１８℃、ひ、低すぎる！！。
地球は生命がとても住めない環境だ。

しかし、これは計算間違いでは無いです。
実はこれが温室効果によって救済される。この温室効果の補正を加えると地球の平均温度はちゃんと１５℃くらいなってくれます。まあ計算だけで地球の平均温度が見積れた訳です。
※この辺はこの分野では常識的な話らしいです。

温室効果と言えば地球温暖化の要因として悪名高いがこれが無かったら地球に人は住めなかった事になる。しかし度が過ぎると、、、

この点は次回に。