Note28 真空の揺らぎが生み出す力の存在(2)

前回の結果で、
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の部分が無限大引く無限大という計算になってしまいました。天下り的だけど、ともかくこの計算で-1/120という値が出てこなければいけない。そこでRegularizationを使ってみます。レギュレータに
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を採用すると、
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なので引き算で無限大が不思議な事に見事に相殺してくれて、sをゼロに持っていくと、
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と-1/120がちゃんと出てきます。こういう(見事な?)相殺が起きるのはちょっと神秘的な気もします。

さて、Casimir効果の計算ではζ(-3)が出てくるという話でゼータ関数がちょっと脚光を浴びました(新聞にも出ていました)が出てきませんね。直接 -1/120 という値が出てきました。ところが、これをもう少し一般的にやるとこの関係は
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なのでやはり引き算で無限大が旨い事に相殺してくれて、sをゼロに持っていくと、
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となって今度はゼータ関数が顔を出します。もっとも数学的な厳密性等の細かい事は忘れてますが、結果は、
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となって脚光を浴びたζ(-3)がちゃんと顔を出してくれます。こうして繰り込まれた真空エネルギーによって2枚の板に働く単位面積当たりの力が計算できます。
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となってCasimir効果の解析的な結果が得られます。

インチキぽいけど自然界の回答はこの結果を支持しているのだから不思議でもある。

次回はこの計算を少し振り返ってみて繰り込みとの関連を整理してみようかと思っています。