3Dのお仕事(2)

3Dのお仕事の続きです。ちょっとだけ裏方の「3Dシステム(CADとかCGとか)を作る人」のお話です。

2つの平面を作りました。デザイナーさんはこんなのを描くのは朝飯前です。
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ところがデザイナーさんが使うこのシステム(3Dシステム)の中では結構大変な事をやっています。こんな裏方仕事が3Dシステム屋です。良く知られているように平面は
Ax+By+Cz+D = 0
のように係数A,B,C,Dを決定する事で決まります。これは中学生でも知っている一次式です。3Dシステムはデザイナーさんが「平面を作るよ」とコンピュータに指示すると3Dシステム屋はこれらの係数A,B,C,Dを決定してあげるだけです。さて、これで図のような平面が出来るでしょうか?
残念ながら出来ません。先程の式は無限平面ですから図のように空中に浮いたパーツにはなりません。3Dシステム屋はデザイナーさんが「平面を作るよ」と指示された時の境界線を見ています。
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この境界情報を元に先程の平面式を特定領域に制限します。これで四角い平面が3Dシステムとして確立します。でもまだ最初の図のような画は画面には出せません。画面に出すには3DCG(3次元コンピュータグラフィックス)が行える情報を生成しなければなりません。やる事は平面の限られた内部を塗りつぶす事です。ところが四角形を塗りつぶす事が出来ません。簡単な理由は一般には4本の直線で囲まれた部分は平面にならないからです。
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こんな風にねじれた関係にあるかも知れません。そこで確実に平面で塗りつぶせるのは三角形です。そこで適当な大きさの三角形に分解する計算を行います。
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これでやっと最初の画面の画が出来上がります。
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デザイナーさんはいつも四角い平面を作るとは限りません。さらに大変な計算になっていきます。

この分野、ニーズは高いのにこのような裏方のエンジニアが不足という奇妙な事がこの業界では起きています。知名度も無くエンジニアはとても少ないのです。
この分野を目指してみたい若者が増える事を願って問題ない範囲で紹介していきます。