初心の気持ち

1年ほど前の事ですが、、、
ある人気パスタ店、いわゆる行列が出来る店です。
こういった店ではとにかく回転が速くないと並んでいる客待たせる事になってしまいます。
店員の腕の見せ所です。

そこで昼食をしていた時です。私の直ぐ後ろの席で食べ終わって頼んだばかりのドリンクを飲みながら話をしている客が居ました。そこへ店員がやってきてこう言いました。

そろそろお下げしてよろしいでしょうか?

私はさすがにそれは無いよな、と思いました。するとその客が
なんだ!!、まだ飲んでいるじゃないか!!
当然です。そして口論に。

店員は「並んでいるお客さんが居るので席を空けて欲しいだけです
えーっ、その言い方って、、と思いました。

挙句に、
店長「お金は要りませんから出てください。
客「二度と来るか!!こんな店
店長「うちはお客さん(あなたたち)に来てもらわなくても人気店なので多くの人が来てくれますから

この一件を見てから私も同僚もこの店には足を運んでいません。

今日はこんな事を思い出しました。何が悪かったのか?少し考えてみました。

まず、いきなり「そろそろお下げしてよろしいでしょうか?」だ。「そろそろ」というフレーズ。
さすがにこの言い方は酷い。それと、「並んでいるお客さんが居るので席を空けて欲しいだけです」
これは「並んでいるお客さんが居る」と付け加えた事と「だけです」でまるで店と他の客の総意だと言わんばかりだ。実際はそうなのかも知れないけれどこの遠まわしの表現は良くない。丁重に事情を説明するのが先だと思う。

例えば落とし穴があったとする。そこへ人が歩いてきた。警備員が
「お客さん、真っ直ぐ行くの?良いの?」
と言っているのと同じ感覚だ。

結局最後のやり取りが全てを物語っている

きっと開店当初は「お客様を持て成す」という客に対して崇高な気持ちと「お客さんに喜んでもらうぞ」という気持ち、意気込みと謙虚さが溢れていたに違いない。

「うちは人気店なので」という言葉があるように何処かで店長の気持ちには慢(おごり)という煩悩が住み着いてしまったに違いない。
人気のあまり自我を失い、わが身を神の様に「勘違い」してしまったのだろう。

初心忘るべからず」この言葉の重要性はまさにここにあるのだと思う。