夏休み特集(犯罪は増加しているのか?意外な結果と日本史)

朝の出勤前、TVを見るとまた殺人事件か、と思ってしまう。善いニュースがあまり無い。
近年、このような凶悪犯罪や少年犯罪は増加の一途を辿っている?。この先が不安だ。

しかし、これは感覚的なものでしかない。それじゃ、と言うわけで実際に調べてみた。
こういった統計は総務省にある。都合の良いことにエクセルで公開してくれていた。
http://www.stat.go.jp/data/chouki/28.htm

結論を先に述べておこう。驚く無かれ!!

凶悪犯罪や少年犯罪は増加の一途どころか減少しているのだ。

なんでも調べてみないと分からないものだと我ながら関心した。
さて、これが本来の目的だったが調べてみると実に興味深い事が浮き彫りになった。むしろその結果というか奇妙な相関ともいえる事実を調べていくうちに日本の歴史が見えてきた。それで急遽予定を変更してその調査内容を紹介したい。
それでは犯罪認知数(検挙されなかった数を含む)を年代ごとにプロットしてみよう。
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なるほど、さっき感覚的な、と言ったけどデータはそれを裏付けている。やはり凶悪犯罪や少年犯罪が増加した結果を反映しているのだろう?。しかし念のため一応調べてみよう。
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意外な結果だ!!。殺人事件は減少傾向にある!!

しかしこのグラフ何か奇妙だ。1930年ころから1945年付近でグラフが奇妙に落ち込んでいる

この時期、1931/9 日本は軍事行動(満州事変)を開始して国際非難を浴び1933には国連は日本軍の撤退を勧告、同年3月に反発した日本はとうとう国連を脱退する。226事件はその3年後である。この時期、日本は国際的に孤立して行ってしまう。そして日本は1936年にドイツと日独防共協定を結び翌年にイタリアが日独防共協定に参画する。そして1937年7月には北京郊外の盧溝橋で日中両軍が衝突(盧溝橋事件)、これを切欠に日中戦争に突入してゆく。そして1939年に徴兵が始まり、さらに同年9月1日ドイツがポーランドに侵攻したのを期に英・仏がドイツに宣戦する。これがいわゆる第二次世界大戦である。その後の日本は戦争一色にそまり学徒動員などで若者までが戦争に巻き込まれていった。そして、それは1945年8月15日 天皇がラジオ放送で敗戦と終戦を国民に知らせるまで続いた。

そして何かが弾けた様に凶悪犯罪は増加してゆく。戦後日本の混乱が見えてくる。それでは憎むべき犯罪、強姦はどうだろうか?
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これが不思議なことに戦争が始まると一気に増加の一途を辿っている。何故だろう?
そしてこれも戦後、経済が安定するにつれて実は減少している

しかし1991年ころから奇妙な増加が見られる。実はこの時期、失われた10年(1991年頃 - 2002年頃)と呼ばれる時期と一致する。失われた10年とはバブル経済崩壊に始まる長期の不況に陥った時代だった。

さて、そうすると冒頭のグラフと矛盾する。一体何故だ?そう、何かが戦後に起きている!!

この点は次回に。