完全犯罪(3億円事件)

3億円といえば「3億円事件」。
誰でも知っている「あの」事件、と言いたいが最近は知らないと言う人も少なくない。

この事件が多くの人に知られるのは史上稀に見る「完全犯罪」だった事と誰も損をしていないし誰も傷ついて居ないという点に尽きるだろう。

さて、この事件、知らない方のために少しばかり説明しておこう。

昭和43年の冬のボーナスの時期でもある12月10日に事件は起きた。
東芝府中工場の従業員に支給するボーナス3億円を偽装した白バイと白バイ隊員を装った一人の男によって強奪された事件だ。

ニセ白バイ警官は現金輸送車を停止させ「支店長の自宅が爆破された」「この車にも爆弾が仕掛けられている」と言って銀行員をすべて(4人を)車外に出した後、運転席に乗りこみそのまま走り去った。
現在の価値に換算するとおよそ20億円に相当するとも言われている。

この事件がいまだに語られるのは冒頭で述べたほかに一種のミステリーとも言える数々の背景にある。

犯人のモンタージュ写真はモンタージュでは無く実在人物の写真だった

少年S犯行説
有力な容疑者であった少年が青酸カリで自殺したがその父親が白バイ警官だった。
本当に自殺だったのか?
しかし、犯人と思われる血液型とは異なっていた事と事件当時のアリバイから犯人では無いとされているが、、

事件でっち上げ説
当時、安保闘争学生運動が激化していた。そして警察は事件現場でもある三多摩地区をローラー作戦で聞き込みをしていた。
事件そのものはでっちあげで目的は安保闘争に関わる人物の洗い出しだったという説。

不可解な被害状況
奪われた3億円があるのに誰も損をしていないのは何故か?
ボーナスの3億円に外国の保険が掛けられてたので日本企業の損失は無かったというが、、、。
府中工場の従業員には翌日改めてボーナスが支給されている。


偶然と巧妙な心理操作?
見れば簡単に分かるニセ白バイ警官だったし、なんら確認も取らずに4人が素早く車外に出たしまったのは?。
事件当日は土砂降りの雨だった。
さらに事件の4日前に支店長宅に爆破の脅迫状が実際に届いていた。
しかも遡って数ヶ月前から脅迫電話や脅迫状が届いていた。、


奪われた紙幣は使われたのか?
奪われた紙幣の一部はナンバーが記録されていたがそれは公に発表されていた。
だからそれらの番号以外の紙幣は安全に使えてしまう。


そしてこの事件に投入された捜査員は述べ10万人、容疑者は11万人だったが1975年(昭和50年)12月10日に公訴時効が成立し、1988年(昭和63年)12月10日には民事時効が成立したためこの時点で「完全犯罪」が成立した。

実際に奪われたのは2億9430万円だった事から語呂合わせで「憎しみのない」強盗とも言われている。


さらに、この事件以降、給料の支給が銀行への口座振込が普及する事になる。

一体、3億円はどうなったんだろう、、、そして誰が、、、