花の命は、、、

花の命は短くて苦しきことのみ多かりき」長編小説「浮雲」の有名な林芙美子の名句ですね。

これは「人生において花と言えるような事はとても短い、逆に苦しい事の方が多い」といった心情を歌ったものとされている。実際、林芙美子は貧しい時代を経験していて夜は働き夏休みは出稼ぎ等して苦労している。とにかく波乱に飛んだ人生を送っている。それは「放浪記」の冒頭に芙美子は「私は宿命的に放浪者である。私は古里を持たない」と書いていることからも伺えます。

嘆き苦しむ相手にこの句をそれとなく(励ましに意味で)言う場面は往々にしてあるだろう。
結局、苦しい事の方が多いんだよ。ってね。

でも芙美子は「花の命は短くて」と言っている。「」と言っている。
芙美子は花びらの開いている時間を言ったのではなく「花」そのものの命について語ったんじゃないだろうか?そう思う事もある。

「人生は短い」だから苦しい事ばかりが思い出だ。
と本当は自分の死期を悟っていたんじゃないだろうか?
実際、他界したのは「浮雲」を書いて間もなくの事だったという。自ら放浪者と言っている訳だからその経験で得た様々な体験を「苦しい事」と言ったんじゃないだろうか?

私は薄っぺらな人生をだらだらと送ってきたのではなく強く濃厚に生きてきたんだと言っているように私には聞こえるのです。

華やかな人生と言うには程遠い苦労や体験をしてる芙美子。
華は少なかったという意味ではなく、私は「可憐に咲く花だった」と。

注:これは私の勝手なプラス思考的解釈です。