氷の剣

所詮、人間は弱い生き物だ。
人は皆、一人では生きてゆけない。

なんて軟弱な!!
そう思って強く生きる、何にもすがらない、誰にも頼らない。
その代わり私も誰も救わない。

しかし、世の中にはなんの得も無いのに手を差し伸べる人達がいる。
多くの人が通り過ぎてゆく中、手を差し伸べる人がいる。

不思議なものだ。

昨今の無常な社会の渦に巻き込まれていく人達にもきっと手を差し伸べる人達がいると信じたいものだ。

人はそれを甘えと言うかも知れない。
しかし、甘る事で人の温もりを知ることが出来る

何にもすがらない、誰にも頼らないで一匹狼のように生きると強く誓い、どんな困難も冷徹に貫いて打ち破って行く氷の剣も人の温もりの前では水と化す。

それでも良いのかもしれない。