Note227 非アーベル的ゲージ理論の概観

電磁場の場合でゲージ変換
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によってラグランジアン密度は不変でした。Λは任意関数。(古典論の場合)
最小作用の原理ラグランジアン密度に適用する事で電磁場の方程式が出てくる。
しかし、最小作用の原理からすると任意関数を適当にとってやると、つまり変分のさせ方をゲージ変換に一致させてしまうと作用積分は変化しない。そもそもそのような状況では正準量子化は適用できないので野放図なゲージ変換はやれないように「ゲージ固定項」というものをラグランジアンに含めておく事になる(?)。
http://blogs.yahoo.co.jp/cat_falcon/28704811.html
その違いこそが古典マックスェルの方程式と量子マックスェル方程式の違いになって出て来るたのでした。さらに、ゲージ変換で波動関数
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のように変換され位相変換の形になる。
http://blogs.yahoo.co.jp/cat_falcon/22648425.html
http://blogs.yahoo.co.jp/cat_falcon/22701985.html
これはファイバー束の言葉では1パラメータユニタリ群U(1)を構造群とするファーバー束の切断に対応している。
http://blogs.yahoo.co.jp/cat_falcon/21984963.html
ところでこの構造群を変えると事も考えられるわけでこういった事を群という視点で見直すと電磁場の場合は可換群なのでアーベル的ゲージ理論と言える。なのでそれに対応して非アーベル的ゲージ理論も考える事が出来る。その形がヤン(C.N.Yang)・ミルズ(R.L.Mills)理論という事のようだ。

で、今はそんな理論に触れる事など私には出来ないのだが電磁場との対応について言えば次のようなイメージのようだ。
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N=1の場合が電磁場で、そういう意味だと電磁場というかアーベル的ゲージ理論を含んでいるので拡張されたわけです。という事でヤン・ミルズ場の場合のゲージ変換は
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非可換群の無限小変換の生成子をQとするとき
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でfはa,b,cの置換に対して完全反対称でヤコビの恒等式
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を満たす。と定義されている。
http://blogs.yahoo.co.jp/cat_falcon/23728951.html
http://blogs.yahoo.co.jp/cat_falcon/22701985.html
つまり、共変微分として次のような形を考えるという事になる。
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電磁場の場合は
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だった。このようにN個の任意関数を含んだややこしい形になる。さらに必然的に相互作用を含んだ理論になっている。それでヤン・ミルズ場の量子化も電磁場の時と同じようにやればよろしい。という事でゲージ固定項を付け加えて余分なスカラー場(B場)を導入してやる。ただしこの場合はN個のB場を導入する。
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ところで電磁場の場合は
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のようにB場は自由で相互作用なんて気にしないスカラー場だったがヤン・ミルズ場で導入したスカラー場のセットはこのような状況を作れない。消滅生成演算子はそもそもフォック空間を舞台にした連中なので自由場でないために消滅生成演算子そのものが定義できないという状況になってしまう。
そうなると補助条件が設定できないという困った状況になってしまうという事らしい。
http://blogs.yahoo.co.jp/cat_falcon/28993051.html
http://blogs.yahoo.co.jp/cat_falcon/15042628.html

ところで「非アーベル的ゲージ理論の概観」はここで停止なのだ。まだこれ以上の事は未知の世界というか理解には程遠い。BRS変換とかFPゴーストとか出てくるのだが、、、
まあ、遠い将来には理解できるかも、、、。