Note269 弱い測定「重ね合わせ状態の観測も出来る?」(雑感)

弱い測定(Weak Measurement) と呼ばれる言葉自体知らなかったが大雑把にいえば

弱い測定を行えば、重ね合わせ状態の観測も出来る。」という事らしい。

なんかトンデモの臭いがするのであまり興味が無かったのだが「弱い測定」という方法をとれば従来とは異なるタイプの量子状態に関係するある種の量(Weak Valueと呼ばれる値)が得られるという事らしい。つまり「重ね合わせ状態の観測」というのはどうやらこのWeak Valueの観測を指しているようだ。

つまり、「重ね合わせ状態の観測」等というような事では無い。もしそんな事が出来るのなら大変な事になる。量子力学は測定されなければユニタリー発展し、測定されればノイマン射影だ。これを破ってしまうのは問題だろう。

つまり、測定値の観測で一旦観測されると重ね合わせは壊れてしまう。これを「強い測定」というなら「弱い測定」というのは測定値の観測をしない。そういう意味では重ね合わせは壊れないという事で、ある意味、量子力学の抜け道とも言うべき方法なのかもしれない。つまり、弱い測定が指している抜け道は「平均値」のみ知りたい場合ならそれは測定値の観測(「強い測定」)では無いから重ね合わせは壊れない(?)。
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しかし、これがどうして「重ね合わせ状態の観測」などと言う表現がされるのだろうか?
そこには「弱い測定」による「平均値」を知るという手法にあるようだ。
測定してしまう(測定値を見てしまう)(完全な情報を得る)とこれは「強い測定」なので重ね合わせは壊れてしまう。しかし、得られる情報量を限りなく少なくしてやればそれによって重ね合わせ状態が壊れることは限りなく少なくなるだろう。つまりその極限が「無観測」と「強い測定」になる。
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重ね合わせの壊れる割合が得た情報量の二乗に比例するというのが根拠となるらしい。
つまり、得るべき情報量を極端に減らしてやれば重ね合わせは壊れなくなっていく。
※そうい意味ではある量子的集団を対象とするという意味だろうか?。

そしてこの弱い測定で得られる情報量は限りなく無いに近いからそのような「弱い測定」を何度も回数を重ねる事で平均値が得られるという事になる。
これが「弱い測定を行えば、重ね合わせ状態の観測も出来る」というセンセーショナルな表現になる理由だろう。

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