津波のシミュレーション(3)

前回の解は良く見ると存在しない境界で反射が起きている。
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こういう計算は初めてなのでどうしたら良いのか悩んだ。
簡単なのは計算領域を思いっきり広げてしまうという事だが、今度はメモリーが圧迫されてしまう。
、、、がこの問題はこういった波を扱う時には必要な考慮で色々と提案されているようだ。
勉強になった。(無反射境界条件というらしい)

どれも本格的にやるには簡単にはいかないようだがCerjan methodが手っ取り早くて実装は容易だとわかった。

つまり、人工的な境界の内側に波を吸収してしまう吸収帯を置いて波自体を減衰させてしまうという安易な方法。
実際、これが旨く行く事を確認できた。(内側20グリッド分を吸収帯とした)
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ちなみに今やっている津波のシミュレーションは「線形長波理論」という理論で計算している。これは津波(発生時)の波長が長いため線形性が十分強く、波速は水深のみで決定され,水圧分布は重力加速度のみでほぼ完全に決まってしまうためだそうだ。

実際には浅瀬に波が到達した場合の粘性係数や非線形項を考慮しないといけない。

現在の計算条件は以下の通り。
基礎方程式 線形長波
海底摩擦 考慮しない(Manning の粗度係数=0)
陸側境界条件 完全反射
家屋等の境界条件 なし
初期条件 海面隆起高さ
潮位条件 考慮しない
地球のコリオリ力 考慮しない
陸上地形(標高) 考慮しない(海面を0としたとき0を陸上とする)

色々と津波理論を勉強しながら、、、、