第28話 ユニタリ変換 unitary transformation


今日は少しつまらない話ですがどうも避けられないという苦渋の判断?で少しばかり予備知識を。
実はこれまでユニタリ演算子エルミート演算子等、量子力学を(ちゃんと)学ぶには避けられない大切な数学的概念がありますが(個人的には)巧妙に避けてblogに掲載してきました。それはどうしても技巧に走ってしまい特に中高生には量子の面白さがうまく伝えられないのでは無いかと思ったためです。
第9話 量子力学の基本(の前に雑談)
※数学的な側面というかユニタリ変換について厳密に知りたい方は専門書を読んで下さい。

■ユニタリ変換 unitary transformation
状態ψにユニタリ演算子Uを作用させて、新しい状態φに変換できます。
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逆に
量子力学的な状態変化は全てユニタリ変換で表せる」
ユニタリ変換とは複素ベクトル空間内で全てのベクトルの位置関係を保ったまま同じように回転させるようなイメージです。ユニタリ変換は基底の回転と見なせるということです。

ユニタリ変換Uは次式を満たします。
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つまり、ユニタリ変換後もベクトルの内積は不変に保たれます。
ユニタリ行列とは複素数係数の行列の(i,j)要素の共役複素数を(j,i)要素に入れ替えた行列でその積が単位行列となる行列です。
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ここで覚えておきたいのは量子力学的な状態変化は全てユニタリ変換で表せるという重要な概念です。
※それ以外は忘れてしまっても良いでしょう。必要な時に思い出せれば十分だと思います。