殺し屋の居る業界

かつてはエンジニアリングというか技術計算システムの研究開発の主流はEWSでした。OSUNIXっていうやつです。今ならLINUXですね。パソコンなんかではまともなエンジニアリング計算はできませんでした。

今はEWSという言葉も聞かなくなりパソコン(PC)が主流で昔のスパコン並みの能力があります。ところがその能力、つまり電子計算としてのパワーを使えていないのが現状です。

さて、UNIXは高速でメモリーも沢山、しかもネットワーク(通信)を使った並列処理ができたのでエンジニアリングで使われるようになったのだと思います。UNIXでは当時のPCに出来なかったプロセス間処理もできました。Windowsではあなたの知らないところでプロセス間処理が行われています。ワードとペイントを同時に起動して何かをした事があると思います。つまり、プロセス=ソフト(プログラム)と思って良いと思います。

話を昔に戻して、、、
プロセスから別のプロセスを生み出して(起動して)より複雑な処理を行う場合があります。このとき起動されたプロセスを元のプロセスの子プロセスと言います。逆に元のプロセスを親プロセスと言います。

EWSは高価だったので金持ちの会社以外は一人一台ありません。なので各自には端末とよばれるパソコンがあてがわれていました。つまり当時はパソコンは端末だったんです。そして端末からEWSに進入して(ログインして)EWSを使っていました。

なのでこんな事がおきます。
「今日は、計算が遅いなー」
注:ログインユーザーが沢山いたためにこうなってしまうのです。

さらに、誰かが膨大なすごい計算をやりだすとみんなからブーイングを食らうのです。こんな風に、
「だれだ!!、デカイプログラム流してるやつは!!」
注:実行する事を「流す」っていいます。

そうすると「ヤバイ」と思ってこっそりとそのプロセスを殺すのです。
注:プログラムを終了させる事を「殺す」と言います。

またこんな事もあります。先ほど言ったように子プロセスがある場合があります。そうすると
「おい!!、まだ重いぞ」
注:沢山のメモリを使われている時他の人の処理が遅くなるので「重い」と言います。

「え、今、殺しましたけど」
「それって、子供を殺しただけなんじゃないの?」
「あっ、すいません。親を殺してませんでした」
「あのー、殺したんですけど」
「なんかまだプロセスが居るぞ」
「バカ!!、ゾンビになっちゃってるじゃねーか」
「全部、子を殺せ!!」
注:親プロセスを殺したため生きた処理をしなくなった子プロセスをゾンビプロセス(Zombie Process)と言います。

今、考えるとぞっとする会話をしていました。もしかすると電車やバスの中でこんな会話をしてたかも知れません。
「親を先に殺しちゃったんだよね」
「子供を皆殺しにしとかないからヤバイ事になったんだぞ」
「あー分かった今度からそうする」