備忘録・事故の瞬間とその直後

とても不思議な事ですがその様子はスローモーションのようにまるで一コマ一コマ記憶にあります。まさに接触する瞬間まで見えています。まさに車のバンパーが接近してくる様子を記憶しています。そして「衝撃」、その先は記憶が途切れています。
※こんな話はよく聞いていましたが実際に経験する事になるとは、、、
※この点については諸説あるようですがあくまで私の正直な体感です。

記憶があるのは路上を転がり終わって両足を前に伸ばして座り込んだ状態からです。モトクロスをやっていたので転倒等の擬似事故は何度も経験していたので何が起きたかは分かっていました。人体に重大な被害はなさそうな感じでしたが左肩に違和感があったのでふと左肩の方をみるととんでもない事になっていました。

「左上腕部から無くなっていました」

この時の心境は言葉には出来ません。こうして書いているとその瞬間がフラッシュバックして手が震えてきます。しかし、行動は意外と冷静でした。どこに落ちているのか辺りを見回しましたが見当たりません。そうこうして体を動かしていると「ポロリ」と転がってきました。

どうなっていたかと言うと左上腕部から捩れて、伸びて、折れ曲がって丁度頭の後ろに回りこんで左腕が右肩に掛かるようになっていたためちぎれた様に見ていたのです。

その瞬間から激痛が走りました。この痛さは想像を絶します。もし銃口を突きつけられていたら

「早く撃ってくれ」

と頼みたいほどです。程なくして救急車が来ました。担架に乗せられ病院に直行です。この間、激痛にも関わらず左腕が気になり自分なりに理解しようと思いましたが左腕の内部で「グチョグチョ」という嫌な感触しか伝わってきませんでした。

病院に着くとレントゲン撮影してその画像を見るなり

「うちでは処置できない」

と言われ市の大病院へ搬送される事になりました。シロート目にも画像を見る限り、思った以上に損害は重大だと分かりました。あるはずの骨の影が途中から無いのです。実は後で分かるのですが粉砕骨折といって骨が木っ端微塵になっていたのです。それに加えて上腕部内部では致命的な事が起きていましたがこの時点では知る由も無い私でした。

※ちなみにその時の左上腕部は見事なまでに(太もも位に)マッチョになっていました。(笑)

市の病院に付くと既に待機していた看護士(当時は看護婦さん)が車椅子を用意していてくれてそれで移動する事になりましたが拒否しました。これは我がままとか強気で言ったのでは無く少しでも気をそらしたいほどの激痛のためです。

耐え難い検査待ちの間、もう少し自分の損害状況査定してみると服はボロボロ、気がつくと靴も片方穿いていませんでした。それに加えて両足から出血(これは幸いにも比較的大したことは無かったです)