備忘録・緊急手術へ
検査の後病室に案内されました。「えっ?」と思っていると即入院、準備出来次第緊急手術ということでした。意外と冷静なようで「入院」は想像も出来ていませんでしたから意外とショックでした(笑)。
しかし、とにかく想像を超えた激痛のため手術だろうが切断だろうがなんでもいいから早くやってれ!!と思っていました。正直に言えば切り離してくれればこの激痛から開放されるような錯覚を起こしていた。今だから言えることかも知れない。
病室は外科病棟の6人部屋でした。みんなパジャマを着てました。私が入ると視線が注がれました。何とも言えない感覚でしたが後に長期滞在者となる私が逆の立場になった時その視線の意味が理解できました。言ってみれば新入りです。
しかし、どうせ一週間くらいの入院と思っていたので自分はあんなパジャマ姿の「おもいっきり入院患者」にはならないとひそかに思っていました。
入れ替わり立ち代り看護婦さんが出入りしていたのでその時はその病室の人たちは何気に浮かれているようでした。そうこうしているうちにお腹が空いてきたので看護婦さんに
「何か食べたい」
とわがままを言ってみました。
「手術前なので駄目!」
といって病室を出て行ってしまいました。別の看護婦さんが
「そんな状態でお腹すいたって?」
既に他の看護婦さんにもこの大胆な発言は伝わっていたようです。
注射を何本か打たれて同意書にサインさせられました。そうしていると私がわがままを言った看護婦さんが来て、なんと
焼きたてのトースト半切れとオレンジジュースを差し入れてくれました。
多分、担当医に相談したらそれくらいなら良いと判断されたんだろうと思いますが、その時は
「なんてやさしい看護婦さんなんだ」
と思いました。いよいよ手術です。素っ裸になってへんな布を着せられて、移動ベットに寝かされ、なんかの点滴を打たれて、、、
「あーもう少しでこの激痛から開放される」
という安堵感がかすかにありました。
テレビドラマで見るような手術室に搬送されました。中には何人いたのか良く見えませんでした。すると医師がガスマスクのようなものを顔に近づけてきて
「心の中で1から10まで数えてください」
と言われましたが、なんだ?それは、、、と思っているとマスクを私にあてがいました。言われるままに心の中で
「1、2、3、4、」
このあたりまでしか数えられませんでした。4あたりから経験した事の無い感覚で、なんというか魂が抜けるというか、、、ま、あっという間に気を失いました。