Memo18 場の量子化に向けて(1)(最小作用の原理(Lagrangian))

今日から少し原点に立ち返って見て行こうと思います。
物理学の全ての出発点は最小作用の原理と言っても良いかもしれません。大雑把に言えば、運動方程式等に先立って存在すると考えても良い。つまり最小作用の原理から運動方程式が出てくると言う事です。そこで、何を最小化するのかというとそれがLagrangian(ラグランジアン)と呼ばれる量で、ある系を記述する関数qとその時間微分の関数を考えときLagrangian
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と書かれる。N個の自由度を与えられた系(N=3で例えば座標(x,y,z)が自由度)では
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が出発点になる。

注意したいのはLは通常の関数とは意味が異なっていて引数自体が関数となっている点で、汎関数と呼ばれています。厳密な事を言わなければ
「形式的には関数引数を普通の独立した変数と思って計算する」
と考えても良い。(「場の解析力学入門」高橋康著p64)

さてLの形を一つ与えると(ある意味)一つの物理を記述する事になる。そして、この系を記述する方程式は最小作用の原理から出てくるという要請を基本的な原理とするわけで、それは次のように定義される量が最小になる事を「自然は選択する」、と考える。その量は作用積分と呼ばれる量で、
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これが最小となる箇所ではqおよびその微分の関数形が微小に変わってもIの値は僅かにしか変化しないはず、と考えられる。ここで関数形を変えるとは
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ただし、
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と変化させる事です。こう考えで関数形を微小に変えたときI
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ここで
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でした。なので、
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そして、これが最小に成るべきだという要請から、
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を得ます。これをラグランジュ方程式と言います。そして、
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を一般運動量と言います。また、重要な量としてHamilonian(ハミルトニアン)
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が定義されます。これがこの系に関する全エネルギーに対応する。そしてこれらの「考え方」はそのまま「場の量」に関してもそのまま導入される。
ということらしい。