Memo19 場の量子化に向けて(2)(Lagrangian密度)

前回、物理学は「ラグラジアンありき」だと言う事を少し学びました。しかし、残念な事にローレンツ変換に対して共変では無く、場の量子化にはそのまま使う事が出来ません。しかしそのやり方はそっくりそのまま持ち込まれて殆ど形式的には同じ様式になります。今日はその事を「見て」みようと思います。

ラグランジアンに相当する量として場φに対して定義されるラグランジアン密度と呼ばれる量が初めにあるべき量として定義される。対応関係を並べてみると。
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最小化する量(作用積分として、
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ラグランジュ方程式に対応するものとして、
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※αは場の自由度をまとめて略記している(例えばスピンの違いとか)。


さらに一般化運動量ハミルトニアンも定義されます。例えば次のような定義です。
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というハミルトン密度が定義されます。


そして、電磁場の方程式も、Klein-Gordon方程式もDiracの方程式も原点はラグランジアン密度にあるはずで、実際これらの方程式が出てくるラグランジアン密度が知られています。

これらの事を踏まえて次回からはもう少し具体的な計算をしながら「正準量子化」について考えてみようと思います。