Memo67 真空のエネルギー(無から生成されては消滅)


でした。これは今までの項とは違って大変興味深いです。真空泡(Vacuum bubble)とも呼ばれています。これが対応するFeynman図は次のようになっています。
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先日と同様でFeynman規則で直ぐに結果が描きだせます。係数は
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対称性因子は上のFeynman図の場合、頂点の入れ替えに対して全く同じになる事を考慮した場合に掛かる因子。で、そのほか諸々の因子を並べてやって、
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内線の積分を行うと次式を得ます。
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で、結果的には、
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ですが、同時時空点の超関数値が定義出来ない事によって
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なので問答無用で無限大に発散してしまっている。
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ちょっと無限大に発散している点は忘れてこのFeynman図を見てみますと、外線がありませんから何も無い真空状態から仮想光子と仮想電子対(仮想電子と仮想反電子)が勝手に対生成して勝手に対消滅して再び真空に戻っている事が分かります。

反応の前後でエネルギーはきっかりゼロで過不足分は生じていないので、この勝手な粒子の生成・消滅過程で(内線だけのFeynman図なので全ての運動量は合計がゼロであれば勝手な値を取れてしまう事で、)一時的に現れるエネルギーも前回同様に何処にも残る事は無い。これも無限大に発散している。とは言えエネルギー保存を破っている。なんて事は無い訳ですね。
※仮想的な粒子は質量殻に乗っていない
無限大に発散しているがこの項の寄与は実際は無視できるようです。ここで計算したのは実際には
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を計算したのと同じで、真空偏極の一つと考えられている。

何も無い真空で勝手に光子や電子対が生成されては消滅している。