Memo91 紫外発散の繰り込みの可能性(3)

前回の続きです。最後の残り、光子の自己エネルギーによる紫外発散の繰り込み(有限化)を見てみたいと思います。

eの係数因子を明示的に
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と書いておく。それで、
繰り込み常数の掛かる数の関係
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を使うと、
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なので電荷と質量を全て繰り込まれた電荷と質量で置換したもは、
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と書けます。これと繰り込みの定義から、
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(1)を代入すると、
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ここで、無限大に発散してしまう(紫外発散する) 
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無限大の部分と有限が部分(紫外発散しない部分)に分離して、
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とします。C が無限大の定数です。天下り的だが2Cとしている点がミソだ。これを代入すると、
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ここで、繰り込み定数を次のように定義します。(無限大を繰り込む
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この積分の係数1/2とCを2倍していた2が次のように相殺する。
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は有限だった事から、
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これは無限大の紫外発散が無い。つまり補正後の自己エネルギーを含んだ光子のプロパゲータの発散は差し引かれて解消している。

紫外発散の繰り込みの可能性(1)紫外発散の繰り込みの可能性(2)を合わせてQED繰り込みは任意の次数で紫外発散が除去される事が分かる。
ただし、この事と実際に積分が収束する事とは別の事でこれまでの話は任意の次数で紫外発散が解消される可能性を示したに過ぎないが、実際には積分が正しく収束する事も示されている。
そういう意味では積分の収束性を示しさないと片手落ちだが、、、今の自分にはまだ敷居が高いのでまた機会があれば挑戦するとしよう。