Memo94 発散の困難ともう一人の偉人

Memo1Memo4QEDのサクセスストーリについて書きました。そして結果的に1965年、Schwinger、Feynman、朝永の3名はこの成果でノーベル賞を受賞しましたが、実はこのストーリーに埋もれた先駆的な事を成し遂げたある物理学者が居ました。


エルンスト・カール・ゲアラハ・シュテュッケルベルク(Ernst Carl Gerlach Stueckelberg)
彼は、1930年の半ばには既に繰り込み(Renormalization)の問題に着手して1942年には発表できると考えていた。そして、1943年にフィジカルレビューに投稿したのだがレフェリーの一人がNG判定をしたのです。内容はともかく数式の使い方などが当時の慣例に従っていなかったためだと言われています。しかし当時彼は病床に臥していたために彼が最終的に完成させた時には既にSchwinger、Feynman、朝永が自分たちの成果を発表した後だった。結果的には彼の論文は専門誌に掲載される事も無く単なる学位論文として埋没していった。


最後に、
物語は1947年夏、ニューヨーク州ロング・アイランド沖のシェルター島に始まった。
今から30年も前に、今の若者たちが生まれるより前に卓越したアイデアと実行力を持った天才達が果敢に挑戦し成しえた偉業の話である。