Note3 そもそも曲面ってなんだ(3)

前回、座標系がラップするする部分が出来てしまいました。今日はこの点について見てみたいと思いますが、その前にNote1で、マグカップとドーナッツが位相同型というイメージを描きました。これがどうも納得できない!!という方が居ます。ごもっともだと思います。この錯覚はマグカップの縁を厚みの無い面だと思ってしまうために起きるのだと言う事が分かりました。そこで位相同型のイメージを作ってみました。どうですか?
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さて、本題に戻ります。6個の座標系を使って球面を覆いつくすることで球面上の点とUV座標は一対一対応の関係が築けましたが、今度は座標系がラップする部分が出来てしまいましたね。

点Pを球面上の点とします。
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この時、各座標系では、
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となって異なったUV座標になってしまいます。しかし、異なった座標でもお互いの関係がわかっていれば互いの座標に変換して確認がとれます。

つまり座標変換(Ψ14)があればよく、互いに同じ点Pの事だと分かり合えます。
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これは座標系4の逆写像を通して
https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/c/cat_falcon/20190806/20190806015535.jpg
として得られます。

このように何枚かの座標系のセットで曲面を覆い、各座標系間で座標変換の手続きが定義できれば矛盾無く球面を表す事ができます。


このような座標系のセットを「地図帳」、各座標系を「地図」と呼びます。またUVのような座標系を局所座標系と言います。結局、多様体はこのような地図(平坦なn次元ユークリッド(Euclide)空間のパーツ)の張り合わせという事になります。
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2次元多様体(曲面等)なら地図は2次元ユークリッド(Euclide)空間のパーツつまり平面のパーツの張り合わせという事ですね。

平面で張り合わせる?といっても 位相の事を思い出してください。ゴム膜のように形を変えて良いからですね。

注:パーツ=正しくは開集合です。あくまで直感的な定義なので正確な定義は数学の本を見てくださいね。

まだ「現代微分幾何入門 野水克己 著」p1目でウロウロしている。