Note6 多様体上の接ベクトル

多様体上の点Pにおける接ベクトルXというのは次のように定義されています。
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関数fを引数とする関数Xになっている。なぜ、これが接ベクトルと呼ばれるのか?、今日はこの点についてイメージ出来るようにしてみたいと思います。点p近傍の局所座標系を考えれば
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というn個の関数が決まり、Xの具体的な形としては、
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と書かれます。これは容易にわかるように
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となっていてn個の関数を決めています。
M上の点pの接ベクトル全体を接空間という。
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従って、M上の点pの接空間の任意のベクトルは
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と書ける事になる。

曲面の場合は
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多様体上の点Pにおける接ベクトル全体を接空間といいますが、これが曲面なら接平面という事になります。幾何的には曲面S(u,v)に対して接ベクトルTが
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を基底として
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という事はよく知られていますが、これは多様体の接ベクトルとしては
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というケースで含まれている事が分かります。

こういう面倒な定義は曲面だけでなく一般の多様体においても接ベクトルという概念を使いたいからでしょうね。なので多様体の接ベクトルはそういう意味では抽象化されているという事でしょう。

今日は「現代微分幾何入門 野水克己 著」p4を解体してみた。