Note28 写像に沿った共変微分
今日も先日の背景をそのままにします。つまり、主ファイバー束 L(M)のMの接ベクトル全体T(M)をファイバーとする同伴ファイバー束(接ベクトル束)とします。そうすると写像に沿った共変微分という形に拡張する事できます。
底空間とは別の多様体WからM上の曲線が与えられる場合を考えます。
この時の共変微分を写像fに沿った共変微分と言う。つまり、
これでは定義しただけになってしまうのでもう少し具体的な形で写像fに沿った共変微分を求めてみる事にします。そのために局所座標系で書いて見る事にします。f(q)におけるフレームを使って
と書けるはずです。
この時の共変微分を写像fに沿った共変微分と言う。つまり、
これでは定義しただけになってしまうのでもう少し具体的な形で写像fに沿った共変微分を求めてみる事にします。そのために局所座標系で書いて見る事にします。f(q)におけるフレームを使って
と書けるはずです。
を使うと、
これをtで割ると
ここで、
(参)多様体上の接ベクトルと微分(2)
と書けます。よって、
ここで、
だから、M上の曲線
は始点p0の接ベクトル
の曲線になっている。従って、
以上をまとめると写像fに沿った共変微分
を得ます。そしてこの公式から共変微分の4条件を満たす事も確かめられます。
言い忘れたけど、少し細かい事を書けば、
の局所座標の近傍
というWの近傍Vという環境での計算です。
の局所座標の近傍
というWの近傍Vという環境での計算です。
今日は「現代微分幾何入門 野水克己 著」p82~p85を解体してみた。