少林寺

少林寺と言えば少林寺拳法カンフー映画を思い浮かべますね。
ところで少林寺拳法日本九大武道の一つなんですね。

えっ!? 中国拳法じゃないの?って思いますが違います。日本の武道です。
(その源流は中国ですけどね)

そのため混同されやすいので中国拳法の方を少林拳と言います。

さて、中国拳法は映画等では良く知られたものですが実際にはあまり知られていません。

通常、少林寺と言えば嵩山少林寺を指しますが、実は福建省にも南少林寺があります。
それぞれの少林寺で武術が密かに伝えられて広がって行ったのでしょう。

そのため各々の源流の特徴が現れます。
南部を起源にするものは力強く強力な打撃技を得意とし、北部を起源にするものは大きな動きや優雅なものが多いと言われています。なので北派南派等とも言われています。

これらの特徴は南部では狭い場所等が多いためで北部は平原が多かったためだとも言われているようです。この特徴は地域的な物ではなく技の性質によるものだという分類もあるようです。
南派は空手と同様に打撃力による破壊力を特徴としますが北派は医学的な理由打撃エネルギー伝達の方法に独特の工夫があると言われています。

医学的な理由というのは「北斗の拳」で有名になった「経絡 (けいらく) 」というものです。
近年、西洋医学とよばれる分野でもまじめに研究されていますから空想ではないのですね。

男性諸君なら分かると思いますが大事な部分はちょっとした打撃でも本当に激痛です(笑)。
※女性の方、冗談ではなく本当なんですよ。

この激痛、医学的にはほぼ解明されています。
不思議なことに打撃を受けた箇所とは違って実際には内臓を傷めている事が知られています。
実際、経絡への打撃は打った部分とは異なる箇所に障害が現れるのが特徴です。
旨く使う事で治療にも使えるわけですから人体は不思議です。

北派の打撃はこの経絡への軽い打撃で体内を傷める医学的攻撃だったんですね。(怖っ!!)。
そのため北派の拳法の習得は(まねるのは簡単だが)困難だとも言われています。
なので直ぐに護身術にはならないわけですね。健康面だけが突出したのが太極拳なのでしょうか?。

奥が深いですね。
しかし、この素晴らしい文化も19世紀の末には山東省で武術組織とキリスト教との間で頻繁に争訟が起きていたという悲しい歴史もあります。義和団事件は有名ですね。

ちなみに、福岡県久留米市寺町にも「少林寺」がありますが無関係のようです。
もっとも大阪にも三重県岐阜県にもあります。