Note68 微分幾何(束同型)とゲージ変換

主ファイバー束がゲージ変換と重要な関係がある事は「現代微分幾何入門 野水克己 著」p56で述べられている。この本によればゲージ変換とは主ファイバー束Pの自己同型写像で底空間Mの恒等変換を引き起こすもの。としている。それと、ゲージ変換のイメージ図
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微分幾何的な意味だ。なんだコレ?という事だ。それで微分幾何から見たゲージ変換だがこれは「微分幾何学ゲージ理論」p63、p64で出てくる。ちなみにこの本、かなり端折っている。証明などは文献参照という形なので数学思考したい人には向いていないかも知れない。まあ積読できる点は良いがと思うが後半はいきなりかなり高度、ヤン・ミルズ理論の話。前半は概ね今までの復習程度(かな?)。それでゲージ変換だけど、

ゲージ変換群は自己同型束の事でゲージ変換はこの自己同型束の切断

という事。「えっ!?、意味不明だ」。これはまたなんとも素っ気無い定義だ。(数学のこういう所が好きになれない。もっとも数学が好きな人はこういう点が良いのでしょうね)そこでまず、自己同型束って何だ?って言う事だけど。その前に束同型写像を見ておくことにする。
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微分同相写像fを束同型写像という。それで特別な場合としてP=Qの場合を束自己同型写像と呼ぶ。また
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の時PからMへの射(morphism)という。

それで束自己同型写像で次のような写像ゲージ変換(gauge transformation)と呼ぶ。
このような束自己同型写像全体は群(ファイバー自己同型群)になっていてこれをゲージ変換群と呼ぶ。この時の構造群Gを特にゲージ群と呼ぶ。
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現代微分幾何入門 野水克己 著」p56の説明、
ゲージ変換とは主ファイバー束Pの自己同型写像で底空間Mの恒等変換を引き起こすものと言うのだが、これは確かに上の定義がそうなっている。(だからそうなのだ。と妙に納得)

次回はもう少しイメージできるようにして見たいと思う。