スパイ映画とイラク問題

スパイと言えば?007。なんかカッコ良いって感じだ。
スパイのアイテムは小型で優れものだし美女にはモテル。やっぱりカッコいい。

実際の活動は地味でそこら辺にいるおじさんかも知れない。
※目立つのはスパイ活動としては不利だろう。

私が見た映画でスパイって本当はそうなのかも知れないと思わせたのが「コンドル」という映画ですね。
ロバートレッドフォード主演。
カッコいいスパイ映画とは一線を期す映画で一職員としての逃走を描いている。
一方そのバックボーンには現在でも「もしかして」と思わせる背景が描かれている。

今のアメリカ、イラクの問題を重ねてみると「もしかしたら?」と思わせる映画です。
内容を紹介しましょう。(ネタバレになっているのでそのつもりで)

ターナーが勤めるのは「アメリカ文学史協会」。しかし実態はCIA支部
仕事は地味で様々なメディア、新聞、小説の情報をCIAの活動と照らし合わせて解析しコンピュータに入力するという地味な部署だが、、、

ある日、仲間の職員が全員殺される。
殺し屋ジョベアを演じるのはマックス・フォン・シドー、物静かで冷静、精細なCIA専属の殺し屋だ。

ターナーは怖くなりCIA本部に救出を依頼する。CIA本部も速やかにターナー救出に向けて動き出す。
CIAニューヨーク副支部長ヒギンズ(クリフ・ロバートソン)が救出を担当する。

ターナーは状況が把握できなくなるが次第にその理由が見え始める。CIA内部に黒幕が居ると。

黒幕と思われるヒギンズに接触するがヒギンズは無関係で何も知らなかった。
改めてヒギンズに保護を願い出るがヒギンズからは「調査は進めている。しかし」
CIA内部に敵がいるなら君を保護する手は無い」と無常な返事が返ってくる。
ここからターナーは自分の推理で見えざるCIAの陰謀へ肉薄していく。
そしてCIA内部の何者かが雇った殺し屋がターナーを狙う。


やがて首謀者を突き止めるターナーだが同時に殺し屋もその場で待ち構えていた。
CIAが仮想で作った作戦、中東を侵略して石油を独占する計画をCIA内部で密かに実行しよとしていた。
ターナーの書いた報告書が偶然それを暴いていたため狙われていたのだった。

しかし、殺し屋ジョベアが銃口を向け撃ったのはターナーではなくその首謀者だった。

殺し屋の台詞が印象的だ
CIAから君を殺せと言う依頼はもう無いから君は殺さない」、
「少し前は君を殺す依頼を受けていたが今は依頼者この通り」と言って首謀者を指差す。
CIA、おそらくヒギンズが事実突き止め依頼を変更させたのだろう。

殺し屋はターナーに車で送ってやると言う。
あくまで依頼の仕事だけで恨みや執念も無く殺しを仕事としている様子が描かれた場面だが怖い。

そしてターナーに忠告するシーンはさらに怖い。
ある日、君が歩いていると一台の車が止まっている。
何故かその車のドアは開いたままだ。
そして君に乗れと言う。車には君の知り合いが乗っている
ターナーは「僕はその車に乗って永遠に行方不明になるのですね」と。

ターナーは最後の手を打つ。
ヒギンズを呼び出し、全てを「ニューヨークタイムズ新聞社」に全部知らせたと告げる。

そしてヒギンズは
作戦自体は誤りでは無い。アメリカ国民が寒さに凍える時が来た時
国民は理由抜きに石油を求めるだろう。その時の準備だった
という。

最後、ヒギンズの台詞が恐ろしい。ターナーが人ごみに消えてゆく後ろから
ターナー、新聞に、載ると思うか?
新聞に出なかったとしたら

詳細は是非観てください。ターナーが専門知識を生かしてCIAを翻弄する場面や殺し屋の思いもよらない手口等、飽きない展開は今でも十分見ごたえはあると思う一品かも知れない。

そして今のアメリカ、イラクの問題が重なって、、、、