Note35 ハミルトン(Hamilton)の原理(1)

物理学における基本的な原理(仮定)の事をそう呼んでいる。運動は作用積分と呼ばれる結果が最小となるように起きるというのがHamiltonの原理、または最小作用の原理、変分原理。古典的なというか時間をパラメータとした場合はここで書いたけど、そうでは無い場合の一般化として考えてみる事にします。ラグランジアン密度
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に対応した場の方程式はオイラーラグランジュ方程式
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から得られるのでした。αは場の自由度をまとめて略記している(例えばスピンの違いとか)。
一方、作用積分ラグランジアン
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この積分は当然、φの形が変われば変化する。
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そこでこのラグランジアンの変分
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がゼロという要請から次のようにオイラーラグランジュ方程式が得られます。
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この作用積分の変分が最小になるのは
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の時で、オイラーラグランジュの方程式が得られます。
それで、逆にあるラグランジアン密度を何とかして見つけてやるとその作用積分の変分がゼロになるようにするとその「場」の量が満たすべき方程式が得られる(と考える)。
例えばスカラーの場に対して
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というLagrangian密度を代入してみると
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とKlein-Gordon方程式
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が得られます。ではその元になったLagrangian密度は何処から出てきたのか?

出てきません。物理学者の創造です。そのLagrangian密度が正しい(創造)想像なのかは実験によって大自然にジャッジを委ねるしかありません。結局、物理学はLagrangian密度を何とかして探り出してオイラーラグランジュの方程式によって方程式を手に入れるといった事を基本原理とするわけでこの原理をハミルトンの原理または変分原理という。

なので物理学はラグランジアン密度ありきであり、森羅万象を説明するためのラグランジアン密度を探す事が使命ともいえる。