Note51 質量項(光子の質量とゲージ不変性)

ディラック(Dirac)方程式ラグランジアン密度は「場の量子論 中西襄著」p75によれば
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これをU(1)局所ゲージ変換に対して不変にしたい。そのためには微分を共変微分に置き換える。
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という置き換えと局所ゲージ変換で場Aを仮定して次のように変換するのだという仮定
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を行う。この局所ゲージ変換に対して不変なラグランジアン密度は
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今度は電磁場を含んだ形になっている。というより微分を共変微分に挿げ替えた事で自動的にファイバーバンドルで言うところの接続が入ってその接続係数がゲージ場に対応したという事になる。結局は局所ゲージ変換に対して不変であるべし、という厳しい要請を満足するようにしてみて、気が付いてみると相互作用項が付いてきたという旨い話しになっている。
ラグランジアン密度には場の積となる項が現れるがこれを質量項というらしい。ディラック(Dirac)方程式のラグランジアン密度の質量項は
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という事になる。この時の係数がその「場」が現す素粒子の質量になる。従って光子の場である電磁場の質量項
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が無い事からの光子の質量は正確にゼロということになる。それで無理をしてラグランジアン密度に質量項を入れると今度はゲージ不変性を壊してしまう。なので一般にはゲージ不変性の要請から入れた場(ゲージ粒子)(今の場合は光子)の質量はゼロであることが要請される。つまりゲージ粒子の質量項を勝手に入れてはならないという事らしい。

質量項に関しては手持ちの書籍には記載がなかった(ネット上にも平易な説明が見当たらなかった)ので上記の事は正確に言えば多分なのです(解釈として合っているのか不安が残るが、、、)