愉快な病人たち(2)

筒井康孝(「時をかける少女」の作者)のエッセーか何かに精神病の病人の話が書かれていたのを思い出した。たしか、体験入院したという話だったと思う。
体験入院といっても結構なハードルもあるようで基本的人権の一部を拘束するので知事の許可が要るとか。その時に医師に聞いた話が面白かった。

風呂場で釣りをしている男に、「釣れますか?」と聞くと「バカか釣れるわけ無いだろ」。
行動と理解が一致していない例だろう。さらに

俺は神から指示をもらっている」と騒いだ際に別の患者が「俺はお前にそんな指示をしていない」と。なるほど、患者どうしだとそんな風に会話が繋がるのか。
多にも色んな症例が紹介されていた。

ある男性が近所の人を集めた。何事かと思って見守っているといきなりコンセントを抜いて
こうすると電気が消える!!
これはイカンと思った近所の人が病院に連れて行ったそうだ。

初期段階では中々分かり図らいらしい。医師によれば各段階のグループの病室に入れてみるそうだ。
普通は居づらい状態が見られるそうだ、つまりその場合は「周りの気のせい」だったという事で正常らしい。しかし、場合によってはある段階のグループに入れると非常に落ち着き会話も成立(?)するらしい。その場合はその段階の病状があると判断するそうだ。普通は病院外なのでこの状況とは逆の事が起きるのだろう。つまり、ちょっと症状のある人が一人居ると周囲は何か奇妙な空気を感じる。
なるほど、確かにそうなのかも知れない。

コンビニに座り込む学生、電車内で化粧する女性等に周囲が何か奇妙な空気を感じるのはもしかして、、、、
ちょっと怖い話だ。いづれにしても気の毒な人たちだ。

そういう意味では気の合う連中とか合わない人たちというのはこういった心の問題があってどっちも病人なのかもしれない。まあ、一括りに同じ解釈を当てはめる事は出来ないという事なのだろう。
人間って面白いね。

ところで私の所にはずいぶん前から「神」が居座っています。私には分かるんです。
貧乏神ですけど。