予言者達の東海地震

予言者ジュセリーノ(Jucelino) 、予言の的中率は90パーセント以上という。

しかしその実態は全く悪質な妄想か悪戯だ。

その予言で
2008/9/13に名古屋を震源とするM8.6の地震が発生し、100万人以上の犠牲者が出る。
ひゃ、100万人以上だと!!ふざけるな!!

東海地方の皆様、2008/9/13に大地震が起こる可能性があるので要注意して下さい!! 
などというチェーンメールが出回る始末。困ったものだ。

ネットにいい加減な事を書き込む連中と大差ない。いや、遥かに悪質だ。
周りでもこの予言については話題になっていた。(もちろん笑い話として)。

私も東海地方なのでこの悪質なお騒がせモノには腹立たしい限りだ。

もちろん、みんさんご存知の通りでそんな予言当たってません

さらに、コイツの予言は続いていて来年には

1月、地震が発生し、数十万人以上
11月地震が発生し、数千人が死亡

この調子で日本人が死んでいくと日本列島から人影が無くなるぞ!!。(そんなアホな)。

先日もLHCの実験(ブラックホールが生成される)を知った少女が自殺すると言う事件が起きている。

いい加減にして欲しい

その一方で長崎市長射殺事件 - 2007年4月17日についても予言していたとか。
なんだそのローカルな予言は。
明らかに日本のメディア受けを狙ったと思われる。


さて、東海地震だが多くの人が認知していると思うが困った事にこれだけが一人歩きしている
つまり、「東海地方(だけが)近い将来とっても危険だ」という誤解だ。
なぜ、東海地震がこれほどピックアップされているかというと一つは唯一予測可能な大規模地震だという事。

1978年に東海地方に体積歪計やGPS観測機器を集中設置していて世界でも例を見ない警戒体制を敷いている。

さて、1978年以降の大規模地震を並べてみると

1978.06.12 宮城県沖 M7.4
1982.03.21 浦河沖 M7.3
1983.06.26 日本海中部 M7.7
1984.09.14 長野県西部 M6.8
1993.01.15 釧路沖 M7.5
1993.07.12 北海道南西沖 M7.8
1994.12.28 北海道東方沖 M8.2
1994.12.28 三陸はるか沖
1995.01.17 阪神・淡路 
2000.10.06 鳥取県西部 M7.3
2001.03.24 芸予 M6.7
2003.09.26 十勝沖 M8.0
2004.10.26 新潟県中越 M6.8
2007.03.25 能登半島 M6.7
2007.07.16 新潟県中越沖 M6.8

日本中でしかも何れも全く無防備な状態で起きている。
さらに2002年には東海地方の被害想定見直しが行われている。
これは科学の進歩による補正を行ったと言う事です。

そもそも東海地震が何故、予知可能なのか?
それは過去のデータ等や観測によって得られた「約100~150年の周期で発生する」という説に基づいてる

そして、幕末に起こった安政東海地震から150年を経過している点が挙げられる。

しかし、これらは仮説であって絶対ではない。
そういう点では仮説をより所に安全対策を打っているというのもまた他県では見られない慎重さだろう。

一方、やはり東海地震はもっとしばらくは来ないだろうと言う説もある。
実は安政東海地震の90年後の1944年に東南海地震が発生している。なのでもう危険な周期を抜けているという説だ。そうなると次の地震2044年~2094年ごろという事になる。

しかし、「いや、まだ開放されていない歪が残ったままかも知れない」という説が浮上して
それだったら「まだ危険な周期を抜けていない、しかも100年近く経過してるじゃないか!!」
つまり、かなり危険だ。という論法によって今日に至る。

しかし、これまで東海地震の兆候(本来なら異常値をしめしているはずが)は見られず、この説を唱えた学者も近年になって「当時の説は誤っていた」として撤回している。
技術進歩によって様々な知見が得られるに至って研究者の中にも東海地震の発生そのものに疑問を唱えているというのが現状だ。

しかし、「備えあれば、、、」です。
そうい言う点では今日の世界でも例を見ない警戒体制を敷いている東海地方はもしかすると他の地方に比べれば優遇されているのかも知れない。