Note102 それがどうして発散なのか

先日、定義された発散だけどどうしてもあれが発散と思えない。どうやらかなりのイメージギャップがある。それで今日はそのへんのイメージのギャップを埋めてみようと思います。

多様体上の発散とか勾配とかラプラシアンとか定義されたけどベクトル解析で定義された発散や勾配、ラプラシアン
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だが、例えば発散なんて上の(ベクトル解析の)発散とは同じものとはとても思えない。しかし多様体上の発散とか勾配とかがこれらと無関係ではないはずでそれなりの理由があってそう呼ばれているはずです。その答えが「多様体入門 松島与三 著」p267,268にあるのでその辺を行間を埋めてイメージを掴んで見たいと思う。まずは発散だけど
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でした、どうして体積要素微分形式の内部積の外微分が発散なんだろう?「多様体入門 松島与三 著」p267ではLie微分と内部積の関係から算出しているが高次のLie微分は端折ってしまっていたのでこの方法とは別の方法をを考えてみることにする。まずリーマン多様体における体積要素は次のようになるのでした。
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だから具体的に発散を計算してみる事が出来ます。まず内部積を求めてみます。前回の公式を使う事が出来ます。
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内部積が計算出来たので後はこれの外微分を計算してみます。
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それで、多様体上の発散は
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でしたから
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両辺を比較すると
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従って、
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ここで、
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ですから、最終的には
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多様体入門 松島与三 著」p267(8)を得ます。

それで、ユークリッド空間の場合は
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となるので確かに発散を多様体上に拡張した公式になっている。だからdivと書いて良いわけですね。
納得です。次回は勾配gradも確認してみたい。

ほんとうはそれほどスッキリしていない。
(-1)因子と11個目式のはδの部分が「多様体入門 松島与三 著」では計量になっている。
もしかしてdxi(∂/xj) = gij なの?