物理的状態とクーロン力
電磁場を量子化すると光子という粒子(量子)を扱う事になります。
この事は既にKlein-Gordon方程式でも現れます。
ただ、負の確率密度をもってしまうスカラー場の方程式でしたが場の量子化(第二量子化)によって波動関数自体を確率解釈するという無意味な解釈を回避しています。
ただ、負の確率密度をもってしまうスカラー場の方程式でしたが場の量子化(第二量子化)によって波動関数自体を確率解釈するという無意味な解釈を回避しています。
それで電磁場でも同じ状況になるようですがローレンツ共変を保ってさらにゴーストが出てこないようなうまい量子化としてGupta-Bleuler形式が与えられる。
ところが質量ゼロの時は旨くゴーストを封じ込められない。
ところが質量ゼロの時は旨くゴーストを封じ込められない。
それで考え出されたのが中西-ロートラップ場(B場)
で、まず状態空間を物理的状態と非物理的状態という部分空間にわけるのですが、非物理的状態はまさに非物理的状態であって概ね次のような意味だと理解しています。
これで都合の悪いゴーストを非物理的状態に押し付けてしまいます。これが補助条件とよばれるものだと思います。それで補助条件を据えた代償としてB場が必要になると理解しています。
そう考えるとなんでそんなB場なんていう余計なものが必要なんだ!!美しくない!!と思ってしまうわけです。ところが補助条件無しで量子化を遂行すると物理的に意味の無い電磁場になる「場の量子論 中西譲著p104」だからやっぱり補助条件は必要なんだ。という事らしい。
それでB場と光子の縦波成分がクーロン力を伝達しているという事なんだけど、、、
まず、光子の縦波成分は見事に非物理的状態となって観測とは縁が切れています。
問題はB場です。不運にもB場は物理的状態に属するので観測とは縁が切れていません。
問題はB場です。不運にもB場は物理的状態に属するので観測とは縁が切れていません。
こんな不気味なB場を物理的状態とするのは大問題です。と思いきや少し計算してみるとB場の観測される期待値は「きっかりゼロ」になっています。
そして、もっと疑問なのが「場の量子論 中西譲著」以外でB場形式を用いている教科書が少ない(気がします)。ワインバーグの量子論(Ⅱしかもってないのでうかつな事は言えないが)やはり電磁場の量子化にB場は出てこない。
そう考えると中西-ロートラップ場なんていうのは場の量子論の歴史に存在したくらいのものでそんなに重要なものではないのでは無いかとさえ思ってしまいます。もっとも「場の量子論 中西譲著」は中西先生ご自信の著書なんで当然なんでしょうけど。
状態空間を物理的状態と非物理的状態という部分空間に分けていく部分はまだよく理解していないので明確な事は言えないので上記の事は未熟な私の現時点での理解です。