あくまで純粋状態をみとめるのか

あくまで純粋状態をみとめるのか
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ここに一つの箱がある。
箱の中には「幸福」と「不幸」が入っている。

そしてあなたこう思うに違いない。
どちらが入っているんだろうか?」と。
神はこう言う。
開ければ分かるが必ずどちらか一方は入っている
それは約束する」と。

あなたはこう思う。
開ければ分かる。その時が来たら
もし不幸だったらどうしよう

そこで、デンマークの首都コペンハーゲンを中心に議論されたのがボーア等が言う「コペンハーゲン解釈」だ。と、あくまで純粋な状態を認めるのだと。

それに対してアインシュタイン等は真っ向から反論する。
「どちらか一方なら、それは必ずどちらか一方の結果だ」
「少なくとも箱を開ける直前には既に決まっている。どちらかにだ」
「あなたはその結果を見る事になる」のだと。

あくまで純粋な状態を認めるなら
「確かに結果はどちらかだ」
「だが、箱を開ける直前ですらその結果は決まっていない
「あえて言えば、その箱を開けて結果を知ったときに決まるのだ」
と。

プロメティウスは神のみが許される「火」を哀れな人間に与え身も心も温めてやろうとした。しかし「火」を持ち出した事に憤慨したゼウスはパンドラという厄介女を送り込んでゼウスを困らせてやろうと画策する。ともかくパンドラは世間が嫌う女だった。

少なくともゼウスや周囲はそう思って疑わなかった。周囲の者は「ゼウスからの贈り物は受け取るな」という忠告をしたがプロメティウスは彼女を快く向かえ妻にした。

この事でゼウスはさらに激高しプロメティウスを処刑した。それも何度も苦痛を与える罰を。プロメティウスはこの事を覚悟の上でパンドラを妻にしていた。
プロメティウスは人々に災いをもたらす疫病、憎悪、悲劇、等を封印していたが自分の身に何かが起きた時の事を考えて準備をしていた。
パンドラに「もしもの事があってもこの箱を開けるな」と。

しかし何が入っているのは知らなかったパンドラはついその箱を開けてしまう。
慌てて箱を閉めたが殆どのものは箱から外へ飛び出していった。
後悔して悲しむパンドラだったが箱の中から「私も外に出して下さい」という優しい声が聞こえる。そっと開けてみるとそこには「希望」が入っていた。
プロメティウスはちゃんと準備をしていたのだった。

パンドラはこの神話からも厄介女とか揶揄される事も多い。
実際にはこの神話には続きがある。後にプロメティウスは罪を解かれパンドラとの間に娘を授かり幸せな家庭を築く、大きな困難や災害を共に助け合って生き残る。
やがて娘はデゥカリオンと結ばれヘレンを授かる。
ヘレンは後にギリシャ人の祖と呼ばれる立派な人生を送っている。

さて、プロメティウスはちゃんと準備したのだがそれを密かに用意しておいたのは実はゼウスだったとも言われている。

紀元前15世紀という途方も無い昔の人が創造した話だろうが人の心を揺さぶる話はこうやって絶え間なく伝えられていく。
それはきっと人の心を灯す暖かい何があるからに違い無い。そしてそれに感銘を受けからだろう。
まさに純粋状態だ。