Note167 純粋状態と混合状態(3)

本当は前回でこの件は一旦閉めようと思ったんだけど、色々とコメントに寄せられたヒント(?)が参考になった。もっとも簡素で私的にはイメージとして平易なのは
観測量に関する統計的な見方かもしれないと思った。
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量子力学的分布という用語があるのか分からないが、こんなイメージだ。

量子力学的分布は観測量のばらつきが本来は無い。不確定性原理による不確さによる確率分布が支配してる。それで
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どんな物理量を測っても他の二つ以上の状態に関する測定値を混合したような確率分布が得られる状態が混合状態(mixed state) 、そうではない状態が純粋状態(pure state) である。

だから固有状態
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は純粋状態だ。しかし物理量Bを測って固有状態ではない
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でも一概に混合状態とは言えない。「どんな物理量を測っても」だから。

しかしどんな物理量Aに対しても
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であるなら混合状態というのが私の結論(?)だった。だから複数の状態
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があって、測定してみるとその確率分布Pが
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という統計的確率分布なら混合状態。
※これはkafukaさんに紹介してもらった清水明「新版 量子論の基礎」を書店で盗み見してきた。

だから
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となる物理量が存在するならもはやこのような確率分布とはならない。だから固有状態なら純粋状態なのか。なるほど、hiroki_fさんのブログ「hiroki_fの日記」では
純粋状態かそうでないかは、複数の物理量を観測して分かるものである。」と書かれています。なるほど。分かった気がする。
結局、同じ状態ベクトルでもどんな物理量を通して見るかによって意味が変わるから物理量との関係を無視して状態ベクトルを見ていても意味が無いわけで純粋状態か混合状態かを語っても駄目だってことなんだ!

そういう意味では「状態ベクトルは純粋状態,密度行列は混合状態」などという説明はかなり隔たった表現だと思えてきた。つまり物理量と状態のセットによって記述されてこそ物理的内容を表現でき、この事をないがしろにしていては駄目だってことだ。

と思うのだが、、、どうなんだろう。