母が退院しました

今、ちょっとした休息の時間がおとずれた。今朝からは大変だったから疲れがどっと押し寄せてきた。

6月8日に母を病院に連れて行って一月とちょっとだ。

その日、母を車に乗せて湾岸道路を走っていた。
母は助手席の窓から景色を眺めていた。
外の風を入れてあげようと思って窓をおろした。風になびく母の髪は白髪が目立っていた。
何気なくミラーに付いていたクモの巣を何も言わず手で払っていた。
今ではそんな事でも私の車の汚れを落としてくれて居たんだと思うと悲しみが押し寄せてくる。

母を病院に残して。
帰路、この道を退院した母を乗せて帰れる事を祈ったが叶わぬ夢となった。


母は無言の帰宅となった。
家に帰ってテレビが見たいと言っていたのでテレビをつけたあげた。
母の顔は何とも言えない穏やかな表情をしている。
やっと苦しみから解放されたんだ。

看護師さんの介助も断わってまで退院するために頑張っていた。
見舞いに行ったときも見送らなくても良いからと言うのに息も絶え絶えな姿で私の後姿に手を振っていた。

良く頑張った。

でも、ちょっと早すぎるよ。贅沢は言わない。後2年、後1年、、、

でも、昭和の動乱を生きて、高度成長期を疾風のように通り過ぎて、色んな人と出会い、色んな体験をし、色んな辛い事も経験しただろう。

でも、その険しい道のりはもう終わったんだよ。
天国へ帰って俺達を見守っていてくれ。

母さんへ。
今まで本当にありがとう。お疲れ様でした。
それではまた。


今日の午前6時37分、母は永久の眠りについた。