Note231 ヘリウム原子の数値計算(1)

水素原子の場合のハミルトニアン
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だったがヘリウムでは電子が2個あるため
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だが、実際には2電子間にクーロン相互作用が働いているはずだ。そのためヘリウム原子のハミルトニアン
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しかし、これはいわゆる多体問題で厄介だ。しかし、2電子間クーロン相互作用は非常に小さいはずだから最初のハミルトニアンが良い近似になっているはずだ。このように個々の電子は知らん顔している状態で扱う形式を独立粒子模型と呼ぶ。さらに都合の良いことに独立粒子模型ではハミルトニアンは分離できて
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したがってヘリウム原子の波動関数
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という形となって容易に得られます。なので基底状態にあるヘリウム原子の波動関数
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さて、分離されたハミルトニアンはそれぞれ水素原子と変わりない。
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なのでエネルギーはZ=2として先日の数値計算をそのまま行って2倍するだけで良い。
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この結果は
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なので予測された当然の結果だ。従って基底状態にあるヘリウム原子のエネルギーは
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しかし、この値は実際の測定値
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とはかなり隔たりがある。結局これで分かったのは2電子間相互作用によるエネルギーは思ったより小さく無かったという事になる。