無駄でもったいない事

そういう事って沢山ある。
だからそんな事は止めよう。

っていうのが今のご時勢、さらにエコなんていう言葉が拍車をかける。

今日、オフィスの横にある喫煙ルームに入るとビル管理会社が委託しているシルバーの年老いたおばさんが喫煙ルームを綺麗に掃除していた。
年のころは私の母とさして変わりが無い。

それをみて私は

「あ、ごめん、今、掃除中なんだね」

といって出ようとするとおばさんは、ちゃっちゃっと綺麗にして灰皿も綺麗にしてくれた。

「ありがとう」

そういうとおばさんは
「正月、終わってしまったね」、
「来年はこの仕事出来てるだろうか」

なんて言うので

「長生きして頑張って、また灰皿綺麗にしてよ」

と声をかける「そうだね」と言って出て行った。

他愛も無い会話だったがふと思った。
タバコなんて無駄だし、フロアに喫煙ルームを置いている事も無駄だ。
そう、なんだけど。

なんか悲しい。
この無駄でもったいない事によって日々の生活の支えになっている事も少なからずある。

灰皿にタバコが溜まらなくなれば、、、また一つの仕事が消えてゆく。
そうやって無駄を無くして行くと一つ、また一つ港を出てゆく船のように消えてゆく。
あ、なんかこのフレーズ、、、。

そう、そういえばあのピラミッドも今ではある意味無駄な物だ。
まあ、観光地にはなっているがなんの役にも立たない。
当時もそれに近かったそうだ。今ではあの巨大なピラミッドは一つの公共事業だった事が知られている。
実際、飲みすぎて今日は休み、とか午後から歯医者、とか今で言う出勤簿のようなものが見つかっている。奴隷のように働かされたというのはどうやら嘘のようだ。

そういった一見無駄な公共事業だが労働者が集まって食料や賃金を受け取る事で大いに人々は潤ったに違いない。これがただ、特定の少数のみが潤うような公共事業だったとしら多分、ピラミッドは早々に朽ち果てて今では見ることすら出来なかっただろう。

そういう意味ではみんながもっと大らかな気持ちで大いなる無駄も良いもんじゃないだろうか?
どうせ一度きりの人生じゃないか。
だろ?