Note244 BRS変換(Becchi-Rouet-Stora transformation)

FPゴースト項ラグランジアン密度を付け加えて完全に局所ゲージ不変性が失われてしまうというオチだったけどそれを救ったのがBRS (Becchi-Rouet-Stora)変換と言う新たな変換だそうだ。
つまり局所ゲージ不変性は失われたけど新たなBRS変換に対して不変だという事らしい。

BRS変換は古典的対応のある場に対しては、次のように定義される。
局所変換の定義に現れる時空の任意関数をFPゴーストに置き換える。
https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/c/cat_falcon/20190805/20190805235616.jpg
「物理学最前線3 p113」さらにこの奇妙な変換は次式を満たす線形演算子であると定義している。
https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/c/cat_falcon/20190805/20190805235620.jpg
と定義される新しい変換。

へー、そうなのかぁ。としか言えないのだが。。。。

また、BRS変換(素性はゲージ変換)は座標を変えないから
https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/c/cat_falcon/20190805/20190805235628.jpg
例えば電磁場では
https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/c/cat_falcon/20190805/20190805235632.jpg
ヤン・ミルズ場の場合もゲージ変換の任意関数をこれをFPゴーストと挿げ替える。
https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/c/cat_falcon/20190805/20190805235636.jpg
そして古典的対応の無い量(この場合はFPゴースト場とB場)は上記のBRS変換を行ったときにラグランジアン密度が不変となるように定めてやる。ヤン・ミルズ場のラグランジアン密度の場合ではFPゴースト場とB場はそれぞれ
https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/c/cat_falcon/20190805/20190805235644.jpg
と変換するものと定義するとヤン・ミルズ場のラグランジアン密度は不変になる。というのがベッキ、ルーエ、ストラ(Becchi-Rouet-Stora)の主張だ。というか彼らは別の視点からこういった変換を思いついていたようです。

このBRS 変換はゲージ固定項とゴースト項というゲージ場を量子化するのに必要なものを含めたラグランジアンを不変にするので、量子論的なゲージ変換と呼ばれているようです。
https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/c/cat_falcon/20190805/20190805235647.jpg
となります。さらにBRS 変換は局所変換という性質は失って大域的変換になっている。
しかし、ある意味これは基礎理論となる記述に人間が自由に選択出来てしまうような任意関数を必要としない事を意味しているのだと思えばなんとなく納得である。