南海トラフの巨大地震を5分で理解する

3.11以降「南海トラフの巨大地震」への危機感を感じさせる報道を目にする機会が多くなったと思う。その時は何か準備しておかなければと思うが直ぐに冷めてしまうというのは多くの人が感じている事だろう。
 
これはそもそもの「南海トラフの巨大地震」への知識不足から来ていると思う。
と、いうのもこれまで津波シミュレータを作ってきている自分としては危機感を忘れるという事がほぼ無くなったし、色んな想定を頭の中でするようになった。
 
中央防災会議(内閣府)が「南海トラフの巨大地震」の詳細な報告を公表しているがアレにじっくりと目を通す根気は一般には無いだろう。そのため「最大34mの津波」というインパクトある指標は頭に残っても「南海トラフの巨大地震」については一切の知識が身に付かない。
そこで津波シミュレータを作る際にほぼ全てを読んだ私が超簡潔に纏めてみた。
津波中心の纏めなので偏っている事は否めない。
 
南海トラフの巨大地震モデル検討会
南海トラフ最大クラスの津波を想定した。
津波断層域は、駿河湾域から四国の内陸の直下。
地震の発生と同時に津波が来襲し始める。
・5、6時間から半日程度は繰り返し大きな津波が襲来する。
 
特に大きな津波がそれぞれの海岸に襲来するまでに要する時間
◆トラフ軸が直ぐ傍にある地域(駿河湾の沿岸地域等)
 地震発生から数分後には5m を超える津波が襲来。
◆トラフ軸から少し離れた場所(高知県等)
 5~10mを超える大きな津波地震発生から20~30 分後となる
◆その他の地域
伊勢湾や大阪湾奥に津波が襲来するにはさらに時間を要し、1 時間~1 時間半程度後。
 
3.11以降で中央防災会議(内閣府)が見直しした内容
南海トラフの巨大地震モデル検討会(第二次報告)(平成24年8月29日発表)
南海トラフ想定される巨大地震による最大クラス津波津波断層モデルを設定
・発生時期を予測することは、現在の科学的知見においては極めて難しい
 
中央防災会議(2003)の時点では次のように想定していた。
1707 年宝永地震、1854 年安政東海地震、1854 年安政南海地震、1944 年昭和東南海地震、1946 年昭和南地震それぞれの場所における最大の津波高の再現モデル。
つまり過去にあった津波でほぼ正確な規模がわかっている巨大津波を全てを一度に再現できるケースを想定していた。これは逆に言えば想像できる最悪では無い
 
3.11以降にどのように見直されたか?
3.11以前ではモーメントマグニチュード(Mw)Mw8.8、大すべり域はあるが、超大すべり域はないとしていたが、これを以下のように改めた。
モーメントマグニチュードMw9.1
大すべり域及び超大すべり域ありとした。