エンタングルメント

entanglement。
量子的絡み合いとよばれる現象。
特にEPR論文は有名だが相当な早とちりする方も多いようです。
簡単には理解できない代物ですがこれがまた簡単に理解できたような気がしてしまうのが要因のようですね。
EPRが提起した問題は現在はそのオリジナルに対してイメージしやすい例が使われます。


(1)2粒子のスピンが互いに逆向きに組み、全スピン角運動量がゼロの状態がある。
(2)2粒子を引き離す=>遥かかなたで良い。
(3)一方を観測してスピンが+か-かを検知する。(+だったとすると)
(4)スピン角運動量保存から言ってもう一方はスピンは-(マイナス)。


※EPRはアインシュタイン、ポドルフスキー、ローゼンの頭文字。

普通は「えっ?当たり前ジャン」となるが問題はスピンの測定である。実はこの部分に関しては人間は説明する言葉を持っていない。あえて言うと「スピンは測定行為が決定する」つまり確率的に決まる。
測定される前の粒子は誰かが測定するまでプラスでもマイナスにでもなりえる状態にあって観測することでどちらかに転ぶ。(エンタングルメント状態という)

EPRが問題にした点はままさにここにある。
それならもう一方を瞬時に測定したらどうなるのか?
確率的に決まるならもう一方も確率的に決まるだろうからプラスかマイナスになりえるだろう。
問題は両者の観測結果を持ち寄った時である。スピン角運動量保存はどうなるのか?
しかし、量子力学ではスピン角運動量保存は保存されている。というのが答えだ。
そうなるとやはり問題である。もしスピン角運動量保存が保存されるのなら一方を測定して例えばプラスだったらもう一方は瞬時にマイナスに問答無用に決定されるということだ。
後者の粒子はどうやって 合い方がプラスになったという事を察知したのだろうか?
「テレパシーのような遠隔操作」ともいえる情報伝達は変じゃない?
量子力学はおかしい!!といった点が問題。

しかし、量子力学の主張は「正しい」ことは様々な実験で確かめられている。
ここで大きな問題は量子力学はそのような光速をも突破するような瞬時の情報伝達をあたかも証明したような勘違いがあることだろう。実際はなんの情報も伝達されてはいない点である。

相対性理論は確かに光速突破を禁止しているが。光速を超えた現象までは禁止していない点がミソだろう。例えば私の「まばたき」とあなたの「まばたき」の間隔は任意に短縮できる。一瞬さきにあなたの方が早い事だってあるだろう。
さらに光速未満からの光速突破が基本的には禁止されていると考えたほうが良い。例えば最初っから光速を突破した粒子ならOK(まだ発見されていないが)。

量子コンピュータを学ぶなら「光速をも突破するような瞬時の情報伝達」といった解説は間違っていると言う事を知っているとちょっと違った見方も出来るかな?