第9話 量子力学の基本(の前に雑談)


前回までは数式を使わない(使ってもイメージ的な使い方)できました。
今回からは少しだけ数式を使っていきます。と言っても中高生でもわかるような数式です。数式というと気持ちが引いてしまい敬遠されがちですが多分それは学校教育のせいですね。
言ってみれば数式はパズルゲームのようなものです。旨くピースを(ルールを守って)配置して行けばそこには美しい真理が見えてきます。なので今回から使う数式はパズルだと思って下さい。
しかし世の中にはそういう事を許さない美的感覚の持ち主もいます、そういった方はやはり専門書をご覧になるほうが良いでしょう。

今回からは工学社の「アインシュタインファインマンの理論を学ぶ本」竹内薫・著のノリです。知らない方のためにちょっと説明すると世の中には高度な理論を解説した啓蒙書がたくさんあります。特に講談社のBLUEBACKSシリーズは一般向けの啓蒙書としては大変優れていると思います。
中でも(故)都築卓司さんの著作は大変優れていますので一読をお勧めします。一般の方でも飽きないような工夫がある上に誤った理解をされないような細かい工夫がされています。私も中学のときに読み漁りましたが次第に不満もでてきました。都築卓司さんも言っておられたのですが「数式抜きでは真意が伝えきれない」と書かれた記事を読んだことがあります。実際、都築卓司さんは後に優しい解説をそのままに数式を使った見事な啓蒙書(もう啓蒙書では無く専門書ですね)を書かれています。

先の竹内薫さんの本も趣旨は同じですがこちらはやってる事が超高度です。ファインマン積分にも触れられていますし重力場の曲率テンソルの計算もやっています。しかし高度な数式も「ルールさえわかれば簡単に計算だけは出来る」(まぁゲームですね)竹内薫さんも本文中で同様な事を述べておられます。実際に本書の中で重力場の曲率テンソルの計算をさせられますがちゃんと結果が出ます。もっともリーマン幾何学を理解していない時点でどれだけ伝わるのかは不明ですが少なくとも「体験」は出来るという点で啓蒙書よりは何百倍も正しい理解に近づけると思いますし後で専門書で勉強したときに「あーそっか!!」といった基礎知識にもなります。

誤った理解で固まらないためにも啓蒙書だけでなく良い専門書にも目を通す事は大切だと思います。
※それでも後で「あーあそこは勘違いしてなぁー」って事はあります。私は今でもそうです。なのでいまだに勉強中なんですね)。