第26話 量子ゼノン効果2(見ている湯は沸かない)


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直線偏光の偏光面を回転した状態は
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横偏光、縦偏光の状態をそれぞれ
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と書くことができる。ここで初期状態を横偏光とすると1回転の回転角度を
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これをN回回転させると次のように最終的には縦偏光となる。
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ここで回転の直後に観測を行う。つまり少し回転したら観測するというように頻繁に観測を行って量子ゼノン効果を生み出す。ここでの観測は「横(水平)偏光版を通す」事で行う。偏光面が傾いて重ね合わせになった光子に縦か横かに強制を強いることで観測する事になる。従って、θ回転した光子はcos(θ)の2乗の確率で横、sin(θ) )の2乗の確率で縦と観測されることになる。水平偏光版を通過した光子は
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この状態でさらに回転させると
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さらにここでも直後に横水平偏光版を通すと、
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これをN回繰り返すと
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となってN回後に水平偏光版を通過できる確率は
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N=40とすると水平偏光になっている確率は94%である。N=80では97%にもなる。従って、縦偏光が観測される確率はN=80では3%程度になっている。
量子ゼノン効果によって本来なら徐々に回転を受けて縦偏光になるはずが回転が凍結されて横偏光のままになったのである。