鏡をぬけて、その後ろにある奇妙な国へ
みなさんご存知「不思議の国のアリス」。
鏡の世界では全てが左右反対だ。
つまり、分子構造も左右反対と言う事か?
実は後で判明したのだがサリドマイドは分子構造に右と左のR体とS体があって、R体は鎮静・催眠作用をもっていたが、S体には奇形をもたらす作用があった。
そのため何もしらずにこの薬を服用していた妊婦は後に悲劇をこうむる事になった。
このように分子構造が単にミラー反転しているだけの見かけも全く同じ成分が人体には全く異なる作用を及ぼす事もある。
逆に猛毒と思われていたものが左右反転で全く無害になる場合もある。
※実際は、サリドマイドは恐ろしい事にR体も体内でS体に変化する事が後にわかった。
科学の進歩の遅れは時には恐怖を招くが、人類は科学の進歩によって失われていったものも多いだろう。