人民は弱し

年金問題サブプライムローン問題に端を発する雇用問題、年末に来て良い話しがない。

私の住んでいる地域は特に酷い。
駅周辺の漫画喫茶やネットカフェはいつも満室のようだ。
おかしな話だがこういった低賃金レンタル個室業界は笑いが止まらない好景気という事だろう。
皮肉なものだ

「派遣切り」等とも呼ばれているが彼らがこういった状況から企業を救っている。
これも皮肉な話だ。

派遣は場合にもよるが通常は数ヶ月単位で契約更新する。
なので企業側の都合で契約を更新しないといういとも簡単な方法で、言ってみれば「解雇」できる。

かつて名優チャップリンの言葉がある。
「ナイフで人を殺す事には抵抗がある。しかし爆弾投下なら簡単だ」

しかし、その一方でこの不景気を絶好のチャンスと見る企業や派遣社員もいる。
実際、大手企業が囲っていた人員が解放されれば良い人材確保に苦慮していた企業はまたとないチャンスであるし、契約を切られた人達の一部は選ぶ側にまわる。

ただ、現実は厳しい。
好景気に甘えた派遣社員は、イヤになったら別の企業へといったお気楽な時代は終わった。
しかし、こういった事を念頭においてスキルアップを密かに行っていた人にはチャンスと成る。

「アリとキリギリス」を思い出す。

いつか祭りは終わる。そしていつか祭りが来る。
しかし、祭りの終わった後でも次の祭りの準備を怠らない事が明暗を分ける。

結局、政府がその時、手を差し伸べるような事は無い事も念頭に置いておくべきだろう。
人民は弱し。なのだから。



人民は弱し官吏は強し星新一