Note174 電磁場の量子化(3)

クーロンゲージ
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による量子化は難点(超光速の作用)はあるものの旨く量子化は出来ている。というのは所詮観測されるのは電磁場Fの方だからだった。ところで超光速の作用を避けて
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と矛盾しないための一般の交換関係は次のようになるのだそうだ。
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ところが

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という事はどうにもなら無いという事じゃ無いか!!。

それでローレンツ条件に対して状態ベクトルの方に制約を設けてやるのだそうだ。
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これをFermiの補助条件という。これを満たす状態を物理的状態として、非物理的状態(ゴースト)はこの実世界と直接相互作用しない状態です。
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なので
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ところがFermiの補助条件と矛盾してしまう。つまりローレンツ条件を満たすように出来ないという事になる。明白なLorentz共変性を持っていてる電磁場の量子化に成功したのがグプタ(Gupta)という人。その後にブロイラー(Bleuler)によって完成させたのでグプタ・ブロイラー形式という名が付いている。Guptaは補助条件を正エネルギー(消滅演算子)部分と負エネルギー(生成演算子)部分に分けて
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Guptaの補助条件
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S.N. Gupta, Proc. Phys. Soc. (London), A63, 681 (1950)
K. Bleuler, Helv. Phys. Acta, 23, 567 (1950).
を課した。
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なのでGuptaの補助条件の共役は
http://blogs.yahoo.co.jp/cat_falcon/14771191.html
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なのでローレンツゲージは物理的な状態では期待値の意味で成立する事になる。
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また電磁場の方程式も期待値の意味で成立する。
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また、
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http://blogs.yahoo.co.jp/cat_falcon/14945633.html

なのでローレンツ条件は
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Guptaの補助条件から
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ともかくGuptaの補助条件によって明白なLorentz共変性を持っていてる電磁場の量子化が可能になる。という事だがGuptaの補助条件によって負ノルムが物理的な観測量に現れることはなくなるという。
次回はこの点をもう少し具体的に見てみたい。

要点はローレンツ条件に対して状態ベクトルの方に制約を設けたって事だ。
なので元もとのローレンツ条件とは少し意味が変わっている。まあ、量子化するわけだからローレンツ条件も量子化によって演算子としてその期待値としてローレンツ条件を満たせば良いという事(?)。